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年末に向けてそろそろ始めたいオフィス・事務所の大掃除のポイント
今年も残りわずかとなりました。そろそろ年末の大掃除の計画を立て始めている会社も多いでしょう。オフィスの掃除をすれば、1年間無事に働いてこられたことに感謝の念が湧き、次の1年にむけてやる気もでてきます。中には「大掃除なんて少し面倒だ」と思っている方もいらっしゃるでしょうが、実は大掃除は法律で定められた会社の義務です。
今回は、大掃除を行う理由や、手際よく行うためのポイントなどを紹介します。
【目次】
1大掃除は法律で決められた会社の義務
2. 会社一斉の大掃除は業務扱いに
3.5S活動に取り組めば大掃除も楽に
4.今回のまとめ
大掃除は法律で決められた会社の義務
会社の大掃除は、労働安全衛生法の規則で「6カ月以内ごとに1回、定期に統一的に行う」と義務づけられています。ですから、どの会社でも、快適な職場環境を維持するために、半年に1回は大掃除をしなければなりません。
法律では、別に年末にやるとは決められていませんし、業者に依頼しても構わないのですが、1年間働いてきた区切りとして、年末に行うところが多いようです。日々使用する備品や社内資料などもありますから、すべて業者任せにするのではなく、自分たちで職場を整理整頓することも必要でしょう。
ちなみに法律では6カ月に1回と定められていますから、年末に大掃除をした場合は、6月頃にも大掃除が必要です。掃除を怠り、職場環境を不衛生な状態にしていると、労働安全衛生法違反に問われ、会社の経営者や事業主は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることがあります。
会社一斉の大掃除は業務扱いに
法律に基づいて、社員や従業員が会社の大掃除をする場合、気を付けなくてはならない注意点があります。それは、会社の指揮・命令のもとで行うのであれば、掃除は業務として扱われるということです。
業務である以上、労働時間として扱う必要がありますし、もし勤務時間外に掃除を命じて、労働時間が8時間を超えてしまうと時間外労働になり、残業代が必要です。もちろん、22時を過ぎると深夜勤務手当の対象ですし、休日が潰れてしまえば休日出勤手当の対象になります。掃除は従業員の善意で行われるものではない、ということを認識しておきましょう。
ですから、大掃除をするときは、業務と同じように事前に計画を立て、役割分担や手順を決めておくことが大切です。計画をきちんと立てておけば、掃除はスムーズに進みますし、労働時間をめぐってトラブルになるのも防げます。
5S活動に取り組めば大掃除も楽に
法律で決められているとはいえ、大掃除というのは、かなりの重労働です。清掃業者に任せてしまうという手もありますが、すべてを任せてしまうと費用が高くつきます。専門的な機器や知識が必要な清掃だけは業者に任せて、自分たちでできる部分は自分たちでやるのが、経済的でしょう。
それにしても、できるだけ掃除は楽にすませたいもの。そのためには、普段からこまめに整理整頓や清掃を行い、オフィスをきれいに保っておくことが大切です。オフィスをきれいに保つために「5S」活動に取り組むのもいいでしょう。5Sというのは、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5つの頭文字を取ったもので、会社をあげて清掃に取り組む活動をいいます。
・整理(seiri) 必要なものと不必要なものを分け、不要な物を捨てる。
・整頓(seiton) 必要なものを誰でもすぐに取り出せるようにする。
・清掃(seisou) ごみや汚れを取り除き、不具合がないか点検する。
・清潔(seiketsu) 整理・整頓・整頓(3S)された状態を保つ。
・しつけ(shitsuke) 3Sを一人一人の習慣とし、職場に定着させる。
とりたてて変わったことではありませんが、こうしたことを意識することで、社員が戦略的に物事を進められるようになり、経営にも良い影響を及ぼすそうです。
今回のまとめ
毎年何気なくやっている大掃除かもしれませんが、実は職場環境を清潔に保ち、従業員の健康を保つという大切な意味があります。普段から会社を清潔に保っておく「5S」活動に取り組めば、大掃除で大変な思いをすることもなく、社員の意識も変わります。
今年は、大掃除を機に整理整頓や清掃への考え方を見直してはいかがでしょうか。