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賃貸オフィス・事務所を借りるなら知っておきたい「BCP対策」
東日本大震災では被災地の企業の多くが被害を受け、IT機器が使えず重要なデータベースなども失われ、復旧まで時間がかかりました。東日本大震災をきかっけに、日本でもBCP対策をする企業が増えて来たといえます。日本は地震や台風などの自然災害も多く、被害を最小限に留めるために、企業のBCP対策は重要でしょう。
今回は、賃貸オフィス・事務所を借りるなら知っておくべき「BCP対策」について解説していきます。
BCP対策とは
BCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「事業継続計画」になります。企業が自然災害やその他の外的要因によって影響を受けた際、事業を継続・早期復旧させるために、事態を想定し環境を整えておこうというものです。
世界でBCP対策の重要性が注目され始めたきっかけは、2001年のアメリカ同時多発テロだと言われています。日本では地震や台風などの自然災害を課題とし、2011年の東日本大震災を機にBCPを策定した企業も多いでしょう。内閣府の調査によると、国内の大企業の7割、中堅企業の3割以上が「BCPを策定済み」と答えたそうです。
大型地震などの自然災害は企業の活動にも大きな影響を与えます。これから賃貸オフィス・事務所を借りるなら、BCP対策をしっかりしておくことが重要でしょう。
想定されるBCP対策の対象となる非常事態
BCP対策の対象となる非常事態としては、「台風・地震・水害」などの自然災害や、テロ、戦争、大規模な事故、また感染症による被害やサイバー攻撃などが想定されています。
BCP対策を行うメリット
企業としてBCP対策を行うメリットとは何かを考えてみましょう。まずは、緊急時に優先すべき事業や活動が明確に決まっていれば、混乱しないで済むため、スムーズに復旧・再開を目指すことができます。BCP対策をしていることで、ビジネス機会の損失を最小限に留めることができるというのが、BCP対策を行う最大のメリットではないでしょうか。
そして、BCP対策をしっかりしていることで、取引先から信頼を得ることができます。大きな災害が起きたとき、業務が長らく停滞してしまう企業より、すぐに復旧できる企業の方が取引先として安心感があるでしょう。取引先の企業が事業を継続しているということは、自社の被害も最小限に抑えられる可能性が高いということだからです。
また、BCP対策を行うことで、従業員を守る姿勢を示せるため企業のイメージアップにもつながります。災害が起きたとき、従業員への連絡手段や、安全確保がどのような手段で行われるかが社員の共通認識としてあれば、従業員から会社への信頼も厚くなるのではないでしょうか。
BCP対策の考え方
BCP対策の具体的な考え方としては、非常事態が起きたとき、「初動」で何をするべきか考えます。まずは現状を把握することが一番重要でしょう。被害状況を詳細に把握し、BCPにおいてどの計画を適用するか判断します。状況が把握できたら、事業継続に必要な復旧作業の優先順位を決めましょう。
復旧直後はすぐに以前と同じ用に業務ができない可能性を想定し、その場合の業務方法をあらかじめ決めておく必要があります。そのために必要なデータに自宅からアクセスできるようにしておくなどの事前準備が必要です。このように、BCP対策に何が必要かを考え、策定していきます。
今回のまとめ
今回は、賃貸オフィス・事務所を借りるなら知っておくべき「BCP対策」について解説してきました。自然災害だけでなく、新型コロナウィルスの流行なども非常事態と言えるでしょう。出社できないような事態になったとき、どのように従業員の安全を確保し、事業を継続していくか、企業の姿勢が問われています。BCP対策をしっかりとしておきましょう。