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ユニークな福利厚生制度「チカラコーポレーションの失恋休暇」
兵庫県で美容室を展開する会社「チカラコーポレーション」。社員に愛され、必要とされる会社を目指すこの会社には「恋愛休暇」と呼ばれるユニークな制度があります。この制度は女性社員が多い美容業界で、恋愛に関する理解を示そうと導入された制度です。失恋休暇を導入した「チカラコーポレーション」について、また、失恋休暇の取得の仕方や社員の反応について見ていきましょう。
【目次】
1.「福利厚生」の目的やメリット
2.ユニークな福利厚生制度を設けるチカラコーポレーションとは?
3.ユニークな福利厚生制度「失恋休暇」とは?
4.今回のまとめ
「福利厚生」の目的やメリット
「福利厚生」は会社が賃金や給料の他に、従業員の暮らしのサポートの一部として支給する非金銭報酬です。福利厚生は一般的に、従業員だけでなく配偶者や家族も対象になります。福利厚生の目的は社員が安心して働けるように生活のサポートをすることや、働きやすい職場環境を作ること。現在の日本では新卒で採用されて、退職まで勤めることはとても困難です。そういった中で魅力的な福利厚生は会社のアピ―ルポイントとなり、多くの人材に会社に興味を持ってもらうことにつながります。
また、転職率が高くなっている近年の日本では、福利厚生を充実させることで、優秀な中途採用者を獲得するというメリットも生まれます。従業員にとっては、生活や職場での手厚いサポートを受けられことがメリットです。そのため、福利厚生は就職や転職活動の際に会社を選ぶ時の、大切な注目ポイントになります。
ユニークな福利厚生制度を設けるチカラコーポレーションとは?
チカラコーポレーションは、兵庫県の神戸市や明石市で美容室を6店舗展開している会社です。この会社が目指すのは「日本一働きたい会社になること」。美容業界では、美容学生が10年後も美容師でいる可能性は10%に満たないと言われています。チカラコーポレーションは、そんな美容業界の給料や待遇・人間関係などさまざまな問題を解消し、多くの人が美容業界で一生働ける環境を作ることを目指しています。
社員に必要とされ、愛される会社にすることを目標に、代表取締役の西靖晃氏は「クリーン&エネルギッシュ」を社員のコンセプトに掲げました。それは、フェアな環境の中で、社員がお互いに高め合いよいチームワークの中で力を発揮できることです。徹底的な教育システムや8種類の手当から給料が決定される給料システムを導入し、経験の少ない美容師でも働きやすい環境を整えています。また、各店舗での食事補助や家賃手当・年4回の昇給制度など、福利厚生制度も充実しています。
ユニークな福利厚生制度「失恋休暇」とは?
社員がエネルギッシュに働けるようにと、チカラコーポレーションが導入した待遇の1つに「失恋休暇」があります。失恋休暇は、その名の通り従業員が失恋したら取得できる休暇です。失恋した翌日から20代前半なら1日、20代後半なら2日、30歳以上は3日間休暇を取得できます。失恋休暇を発案したのは、代表取締役・西靖晃氏です。チカラコーポレーションは社員の80%以上が女性。西靖晃氏は、失恋休暇を制度化した理由に、「女性が多い職場のため恋愛に対する理解を示すために作る必要があった」と答えています。
失恋休暇が制度化されたのは2011年10月。失恋したら休暇が取れるとてもユニークな制度として、当時は大きな話題になりました。この休暇を取得するのに、申請書や書類などの提出は必要ありません。失恋したおりを店長に報告すれば、翌日から休暇を取得できます。既婚者の場合は離婚した場合に取得可能で、離婚は「心の痛み」度合いが高いとみなされ、通常の日数に1日加算されるのも良心的です。また、休暇は分けて取ることもできます。取得回数に制限がないため、月に何度でも取得できる点も非常に手厚いです。
今回のまとめ
「失恋休暇」を制度化した、美容室を経営する「チカラコーポレーション」は社員が必要とする会社や、社員が働きやすい環境作りを強化しています。失恋して落ち込んでいては接客もできないし、仕事にも集中できないとのことで導入された失恋休暇。実際に失恋や離婚をしても失恋休暇を取得するかは個人の自由です。2014年までに失恋休暇を申請した従業員は男性従業員3人のみで、3人とも離婚をしたことで取得しました。離婚は精神面へのダメージが大きいだけでなく、手続きも大変ですので、取得した従業員は非常に助かったと言っています。失恋休暇は、近い将来取得する予定がなくても、従業員に対する会社の心使いが伝わる、非常に有り難い制度と言えるでしょう。