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2021.11.05

ビルオーナーになる前に知っておきたいビル管理に必要な経費


「ビルオーナーはビルを所有する人」という理解は確かにそのとおりです。しかし、これからビルオーナーになるという人は、ビルを所有することによって発生する支出という側面、言い換えれば「ビル管理に必要な経費」についてもきちんと把握しておくことが必要です。入ってくるお金のことだけを考えて、出ていくお金に目を向けないのでは、大きなリスクを抱えた状態でビルオーナーになることに。今回は、ビルを管理していくに当たり必要となってくる主な経費について、系統別にご紹介します。

【目次】
1.ビル管理業務は大きく2系統に分けられる
2.建物をメンテナンスする「ビルマネジメント(BM)」系経費
3.賃貸ビル経営のソフト面を維持管理する「プロパティマネジメント(PM)」系経費
4.管理会社に委託する場合のBM・PM系経費の違い
5.今回のまとめ

ビル管理業務は大きく2系統に分けられる

ビルの管理業務は大きく2つの系統に分けられます。ひとつがビルという建物そのものの手入れに関連する「ビルマネジメント(BM)」で、もうひとつがビル経営全般に関連する「プロパティマネジメント(PM)」です。それぞれの主な経費を次の章から見ていきましょう。

建物をメンテナンスする「ビルマネジメント(BM)」系経費

物件としてのビルそのものの保守全般がビルマネジメント(BM)です。ビルマネジメントに分類される主な経費には、具体的に次のようなものが挙げられます。

エレベーター・消防設備・電気設備の定期・保守点検に要する経費

エレベーターや消防設備など指定設備については定期的な点検が法的に義務付けられています。そのため決められた頻度での法定点検は必ず実施しなくてはならないほか、それとは別に任意の保守点検も行うのが一般的です。また、自動ドアやシャッター、貯水槽、発電機などといった各設備の点検や清掃も発生します。

共用部清掃に要する経費

掃除機がけのような日常的な清掃のほか、定期的な窓ガラスや外壁の清掃やエアコンクリーニングといった大がかりな清掃も欠かせません。また、厳密には清掃ではありませんが、ビル全体の印象を良くするための植栽の管理も必要です。

ビル全体の警備に要する経費

設備点検や清掃などの業務とは種類が異なりますが、ビル空間の安全を確保するという意味で警備業務もビルマネジメントの一環です。警備員を常駐させるなどの人的警備と、防犯・監視機器類を導入することによる機械警備とがあり、両者を組み合わせての警備も一般的です。

修繕対応に要する経費

設備などに故障・破損があれば、修理が必要となります。ビル内の空間や設備を快適かつ問題なく使用できる状態に保っておくことがビルマネジメントといえますので、修繕対応もその一環ということになります。

賃貸ビル経営のソフト面を維持管理する「プロパティマネジメント(PM)」系経費

ビルというハードとしての建物ではなく、ビル経営というソフト面での管理業務がプロパティマネジメントです。賃貸ビル経営の収益化にも関わってくる部分です。プロパティマネジメントに分類される主な経費には、次のようなものが挙げられます。

賃貸借業務に要する経費

空室が増えれば収益が悪化します。すぐに新しいテナントを誘致するなどするほか、そもそも空室が出にくくするための抜本的対策を実施する必要性もあるでしょう。

賃料回収に要する経費

賃料の請求や回収を行うための経費も発生します。テナント数が多ければ、その工数(≒経費)は当然それなりになってくるでしょう。

テナント対応に関する経費

テナントからのクレームに対応したり、要望を受け付けたりといったことに関わる経費も発生します。クレーム対応の一環として何らかの改修工事などが必要となるケースも考えられるでしょう。

管理会社に委託する場合のBM・PM系経費の違い

多岐にわたるビル管理業務をすべて自分で行っているというビルオーナーは珍しく、管理会社に委託料を支払って委託するケースが一般的です。ビルという建物そのものの管理であるビルマネジメントを管理会社に委託する場合、委託料はいわば従量制。どのくらいの面積をどの程度まで管理するかによって変わってきます。一方、ビルという資産の価値を高めるビルマネジメントを管理会社に委託する場合は、基本的に成功報酬型です。ビルの収益に連動するシステムとしている管理会社がほとんどのため、委託料率は業務内容に関係なくほぼ一律となっています。

今回のまとめ

将来にわたりビル経営を軌道に載せ、収益を確保していくためには、ハード面とソフト面両方からの管理が欠かせません。近年ではそれらすべてをまとめて管理会社に委託するケースが増えてきていますが、まずは基本的な知識として具体的にどういった経費がかかるのかを把握した上で委託するようにしたいですね。

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