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2021.10.16

オフィスビルには消火器は何本設置すべきか


オフィスビルでも、一定の要件を満たす場合には消火器の設置が義務となります。消防法にて定められており、設置義務を果たさなければいざという時に危険が生じてしまうほか、罰則対象にもなり得るのです。なお、消火器を設置する際には、その本数にも規定があります。具体的に、オフィスビルにはどれくらいの消火器が必要となるのでしょうか?今回は、この点に焦点を当ててご紹介して参ります。ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
1.オフィスビルに消火器は何本設置すべき?
2.消火器の点検と報告義務について
3.消火器の種類と効能
4.今回のまとめ

オフィスビルに消火器は何本設置すべき?

オフィスビルの場合、建物内の延べ面積が300㎡以上となる際に消火器の設置義務が発生します。逆にいえば、各フロアの面積が300㎡未満の場合には、消火器の設置は必要ありません。
設置義務が生じるときに導入する消火器の本数は、建物の構造によって異なります。具体的には、耐火構造の建物ならば400㎡につき1本、非耐火構造の建物ならば200㎡につき1本の消火器の設置が目安です。つまり、延べ面積が800㎡のオフィスビルで耐火構造の場合には2本、非耐火構造の場合には4本の消火器を設置する計算になります。もちろん、各フロアごとに同数の設置が必要ですので、5階建てのオフィスビルならば単純に合計10〜20本の消火器を配置する形になります。
消火器の消火能力には種類があり、それによっても設置本数は変わってくるので、導入時には予め性能を確認しておくようにしましょう。

消火器の点検と報告義務について

消火器をはじめとする消防用設備には、定期的な点検と報告が義務付けられております。設備をしっかり備えていても、緊急時に機能しなくては意味がありません。なお、消防用設備の点検は、消防設備士または消防設備点検資格者が行うのが基本です。資格者が6ヶ月に1回の頻度で然るべき点検を行い、その記録を消防長または消防署長に1年に1度もしくは3年に1度提出します。
ただ、消火器は比較的簡単に点検できる設備であることから、特定の場合に限り所有者自身による点検・報告書の作成が可能です。具体的な条件としては、延べ面積が1,000㎡未満であり、屋内に階段が一つしかなくかつ3階以上に飲食店等の特定用途があるものを除く建物である場合となります。その上で、独自の点検が可能となるのは、製造年から3年以内の加圧式消火器・製造年から5年以内の蓄圧式消火器のみです。
期間が過ぎている場合には、専門家による点検が必要になります。確認方法は目視で十分とされており、主な点検箇所は製造年数・容器の損傷・安全栓・レバーの形状のほか、キャップ・ホース・ノズル栓などの結合部分の締め付けなどです。また、消火器がすぐに持ち出せる位置にあるか、標識が見やすい状態であるかどうかという点も確認すべき箇所になります。ちなみに、報告を怠ったり虚偽の報告を行ったりした場合には、30万円以下の罰金または拘留が科せられます。

消火器の種類と効能

消火器には素材による種類があり、それによって得られる効能が変わってきます。消火器を選ぶ基準として、ここでは素材ごとの詳しい特徴について見ていきましょう。

水系消火器

水系消火器には、ピュアウォーター・強化液・機械泡・化学泡などの種類が存在します。いずれの種類も、主に紙や木などを着火物とする普通火災に対応しており、油やアルコール類を着火物とする油火災と電気火災には弱いといった特徴を持ちます。ただ、高い冷却性能と浸透性を併せ持っており、着火物の再燃を防ぐことが可能です。

粉末系消火器

粉末系消火器は、粉末状の薬剤を噴射して消火を行うタイプになります。リン酸アンモニウムを主成分とした「ABC消火器」が主流で、ほとんどの着火物に万能に対応できるのが特徴です。ただし、放射時間が短く、再燃を起こす可能性が高いといった欠点もあります。

ガス系消火器

ガス系消火器は、二酸化炭素等のガスで窒息効果をもたらし消火するタイプになります。ガスのみの噴射となるため、周囲を汚染させたり精密機械を損傷させたりする心配がありません。普通火災には対応できませんが、電気火災に絶大な効果を発揮します。電気機器や精密機械の多いオフィスには、最も適していると言えるでしょう。

今回のまとめ

オフィスビルにも、消火器の設置が義務付けられる場合があります。なにより、消火器はいざという時に命を守る重要な役割を担う道具です。しっかりと適切な数の消火器を導入し、いつでも使用できるよう入念な管理も徹底していくようにしましょう。

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