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2021.10.09

オフィスや事務所の賃料に消費税が発生する理由とは?店舗付き住宅のケースも解説

個人が生活するための賃貸住宅の家賃には、消費税がかかりません。
一方、オフィスや事務所、店舗など事業所の賃料には消費税がかかります。
賃料の10%はかなり大きな支出なので、

「なぜ事業所にだけ消費税がかかかるのか?」
「駐車場や保証金、礼金はどうなるのか?」
「店舗付き住宅だとどうなるのか?」

と、疑問も湧いてくることと思います。
今回は、それらの疑問にわかりやすく回答していきます。

【目次】
1.事業目的の物件は、消費税の課税対象
2.住居用の賃貸住宅が非課税なのは、特例があるため
3.店舗付き住宅(住宅兼店舗)の場合は?
4.事業所での敷金(保証金)・礼金・共益費・駐車場の扱い
5.今回のまとめ

事業目的の物件は、消費税の課税対象

消費税は製品の販売やサービスの提供により発生する税金で、1989年に導入されました。
金銭取引の多くが対象ですが、家賃・賃料に関しては、オフィスや店舗などの事業所は課税対象、個人の住宅は対象外という違いがあります。

合法的に消費税を払わずに済むならベストなので、

  • 法人契約ではなく個人契約する
  • オフィスビルではなく一般の賃貸住宅を事務所にする

といったアイデアが浮かぶかもしれません。
しかし上記のどちらも、賃料には消費税はかかります。

消費税の課税対象になるかどうかは契約者や建物の違いではなく、「事業目的で借りている物件かどうか」の違いだからです。
なお、事務所や店舗だけでなく、貸倉庫も同様の扱いとなります。

住居用の賃貸住宅が非課税なのは、特例があるため

実は消費税が導入された当初は、住居用の賃貸住宅にも消費税が課されていました。
しかし1991年以降、社会政策上の配慮から、特例として消費税の非課税対象に分類されるようになったのです。
マンスリーマンションやウィークリーマンションも、ホテルではなく「住宅の貸し付け」なので同様の扱いになります。

但し、住居用であっても、賃貸期間が1ヶ月以下の短期の場合は課税対象です。
また、家賃以外の費用は以下となります。

  • 仲介手数料…課税
  • 敷金(保証金)・礼金・共益費…非課税
  • 駐車場代…課税

但し、駐車場代が家賃に含まれていて、利用の有無にかかわらず支払う必要がある場合は非課税です。
「そもそも土地の貸付は非課税では?」と思う人がいるかもしれませんが、駐車場など施設利用を伴う場合は課税対象になるのです。

店舗付き住宅(住宅兼店舗)の場合は?

店舗付き住宅の場合は、店舗部分と住宅部分を面積で区分し、店舗部分にかかる家賃は消費税課税、住宅部分は非課税と切り分ける必要があります。
1階が店、2階が住居の場合は、1階と2階の面積が同じになるので、家賃の半額分にだけ消費税がかかる、ということになります。

事業所での敷金(保証金)・礼金・共益費・駐車場の扱い

事業所の場合、賃料だけでなく

  • 礼金
  • 共益費
  • 駐車場
  • 敷金(保証金)から引かれる償却金

も、課税対象になります。

しかし、返還される予定の敷金(保証金)は一時的に預けるだけのお金であるため、非課税です。
また、契約時に必要になる印紙代にも消費税は発生しません。

今回のまとめ

オフィスや事務所、店舗など事業用の物件の賃料に消費税が発生します。また、礼金・共益費・駐車場にも同様に課税される。
それらの10%となると大きな金額ですので、消費税額を踏まえて物件を探す用にしてください。

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