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2021.10.06

新型コロナウイルスが与える全国の飲食市場への影響【2020年度】


2019年末に発生した新型コロナウイルスは、日本のみならず世界中を混乱に陥れました。特に飲食業界においてはその影響が大きく、身近な店舗が閉店に追い込まれる状況を目にした方も多いはずです。それでは、実際にどのくらいの飲食店に影響があったのか、2020年のデータを見てみましょう。

【目次】
1.飲食店事業者の倒産件数は過去最多
2.上場外食業者の9割が売り上げ減少
3.客のニーズに合わせた事業展開を進める店舗も増加
4.今回のまとめ

飲食店事業者の倒産件数は過去最多

帝国データバンクによると、2020年1~12月までの飲食店事業者の倒産件数は780件と過去最多を記録しました。新型コロナウイルスによる営業短縮や営業自粛の要請、外出自粛による客の減少など、直接的な影響が大きかったためと考えられます。業種別に見ると、「酒場・ビアホール」が189件とトップでした。酒類の提供停止や大人数の宴会自粛などが要因でしょう。次いで多いのは、「中華・東洋料理店」の105 件、「西洋料理店」の100 件、「日本料理店」の79 件となっています。酒場・ビアホール、日本料理店、喫茶店の倒産件数は過去最多、その他の業種も影響は大きかったようです。
近年、材料費の高騰や人手不足が原因で、倒産や経営難に追い込まれる飲食店は増加傾向にありました。ただでさえ苦しい中で、新型コロナウイルスが追い打ちをかけてしまったところも少なくないはずです。中小零細事業者などを中心に現在も苦しい状況は続いており、今後倒産件数はさらに増える可能性があります。

上場外食業者の9割が売り上げ減少

上場外食業者に絞って見てみても、その影響の大きさがわかります。2020年度の総売上高は約3兆9797億300万円、前年度の約4兆8888億900万円と比較すると約9000憶円消失しました。上場外食業者94社のうち、2020年度増収となった企業はわずか10社のみで、残り84社は減収となっています。3月期決算の45社では、増収企業はわずか3社のみとなり、約9割の企業で売上高が減少しました。
特に影響が大きかったのは居酒屋です。東京商工リサーチによると、大手居酒屋チェーン14社ではコロナ禍で1048店舗が閉店したそう。1回目の緊急事態宣言の直後が最も多く、その後も3カ月ごとに100~200店舗のペースで閉店に追い込まれてしまったといいます。その中で増収となったのは、日本マクドナルドホールディングスやモスフードサービス、日本KFCホールディングスといったテイクアウト需要が大きな企業です。回転寿司店や焼肉店などもコロナ禍に強い傾向でした。巣ごもり需要に応えるテイクアウト、換気システム、客や店員との接触の少なさなど、もともとの店舗の特徴が客のニーズと一致したからだと考えられます。

客のニーズに合わせた事業展開を進める店舗も増加

2021年8月現在もコロナは収束しておらず、変異株も含めた感染者数の増加、度重なる緊急事態宣言など、先行きはいまだ不透明です。特に、居酒屋・ビアレストランは厳しい状況が続いています。ホテルや旅館、旅行業者など観光に関わる業種も厳しく、観光客をターゲットとした飲食店も同様の影響を受けているでしょう。ただその中でも、感染動向に左右されにくいテイクアウトやデリバリーなどを取り入れ、生き残りをかける事業者も多くいます。内食・中食は増加傾向にあり、客のニーズに合わせた事業展開も検討していく必要があるでしょう。
ただ、今後新型コロナウイルスの感染がどうなるのか、国の対応はどこまで期待できるのかはわかりません。社会全体の動向に注目し、さまざまな点に考慮した対応が必要になってきます。

今回のまとめ

新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態で、さまざまな業界が打撃を受けています。特に飲食市場への影響は大きく、経営者や従業員の苦労は計り知れません。飲食業界が再び元気を取り戻すように、一刻も早い新型コロナウイルスの収束を願うばかりです。

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