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ショッピングモールのテナント・貸店舗を借りるときの注意点
休日のお出かけ先として人気が高いショッピングモール。バラエティに富んだ店舗が立ち並び、幅広い年代が楽しめるスポットとなっています。ショッピングモールへの出店を目指して、別の場所で営業している店舗も多いかと思いますが、出店にはさまざまなハードルがあるのです。どのような点に注意しなければいけないのか、今回の記事で紹介します。出店を検討している店舗の方は、ぜひ参考になさってください。
【目次】
1.契約条件を細かく確認することが大切
2.契約時には工事区分に要注意
3.コロナ禍におけるテナント賃料減額の実態は?
4.今回のまとめ
契約条件を細かく確認することが大切
ショッピングモール内のテナントを契約するには、契約形態が重要となります。形態は、催事契約と本契約の2つに分かれます。催事契約は、1か月から半年間程度という短期の契約であり、実績が少ない店舗や期間限定の店舗などで見られます。保証金などは請求されないことがほとんどです。これに対して、本契約は2年から6年程度の契約をさし、催事契約と比べて出店コストが大きく変わるため、慎重な判断が求められます。
このほかに、モール内では、経営者側が業種構成を考えてゾーニングしますので、業種や商品が限定されます。営業時間や定休日も、自店だけ独自に設定することはできませんので、注意しましょう。さらに、家賃は固定家賃なのか変動家賃なのか、きちんと交渉しなくてはいけません。中途解約時の取り決めや、解約時の原状復帰義務などについても、契約書へ記載されている内容のチェックは欠かせません。
なお、ここ数年で開業したショッピングモールでは、テナントとの契約が6年間の定期借家契約が最も多いといわれています。これは、開業後6年程度経つと、施設の資産価値を維持・もしくは向上させるために、モールがリニューアル工事を行うことが多く、同時にテナントの入れ替えも行うためです。
契約時には工事区分に要注意
実際にテナントの賃貸借契約をする際には、工事区分にも注目しましょう。工事区分とは、費用負担や管理形態の違いから工事の種類を分けたもので、A工事・B工事・C工事の3種類があります。
A工事は、経営者側が行うもので、建物本体の柱や床、壁などの劣化を防ぐ工事であり、テナントをスケルトン状態までもっていきます。C工事は、スケルトン状態から店舗を開く状態にする内装工事をさし、借主が行います。B工事は、A工事とC工事の中間をさし、工事内容によってどちらが費用負担をするのか変わってきます。テナントを借りるとき、どの工事が必要で費用がどれだけかかるのかを打ち合わせておくことが大切です。
コロナ禍におけるテナント賃料減額の実態は?
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ショッピングモールの売上も軒並み減少しています。大型ショッピングモールでは、テナントの賃料を減額もしくは減免したところもあります。恒久的な対策ではなく、売上や世間の情勢によってその都度検討されていますが、1か月分でもこのような対応をしてもらえれば、テナント側もひとまずピンチを乗り越えられるでしょう。
これに対して、中小企業や個人が所有しているビルは、減額や減免の対応は難しく、資金力の違いが如実に表れた結果となりました。テナント物件の賃料の恒久的な減額交渉は、不可能ではありませんが、特に人気が高いモールではかなり困難といえます。ただ、長期間空きテナントとなっていたところに新規で入居したい場合は、検討の段階で賃料について一度交渉してみると良いでしょう。
今回のまとめ
ショッピングモールは、大きな集客が見込めることから、テナントが認知されやすいメリットがあります。その分、賃貸借には注意点もたくさんあるため、慎重に出店を検討することをおすすめします。