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2021年最新のテナント・貸店舗の家賃相場と市場の流れ
新型コロナウイルスの終息が見通せない中、テナントや貸店舗の家賃にも影響が出ています。また、店舗経営の効率化および再編を目的として、店舗を統合・閉鎖する企業も相次いでおり、日本の経済は回復がまだまだ困難だと言わざるを得ません。そんな中でも、企業は先を見通した経営が求められるため、市場の動向を常に見守る必要があります。今回の記事では、2021年最新のテナント・貸店舗の家賃相場や、それに伴う市場の流れなどを解説します。
【目次】
1.2021年におけるコロナウイルスの影響は
2.各エリアにおける家賃相場の変動を簡単に解説
3.今回のまとめ
2021年におけるコロナウイルスの影響は
新型コロナウイルスが、テナントや貸店舗市場に与えている影響は、エリアや業種ごとに大きくばらつきが出ています。都心型の店舗や、外国人が多く訪れインバウンド消費が大きかったエリア(銀座・新宿・心斎橋など)では厳しい状況が依然続いているのが現状です。その反面、インバウンド需要がそれほど大きくなかったエリア(栄・三宮など)では、影響はごくわずかとなっています。また、テナントが退去したところに、エステなどの店舗やクリニックなどが入居している物件も増え、空室率の低下に一役買っているケースも増えています。
ただ、全体の空室率は上がっていることから、賃料の水準が下がる現象も起きているのです。関東エリアにおいては、2022年度以降は賃料の下落幅は縮小し、賃料相場はほぼ横ばいになるとの予測が出ています。しかし、新たな変異ウイルスの出現で感染者が爆発的に増加したことにより、この予測が変わる可能性もあるため、推移を注視していかなくてはなりません。
各エリアにおける家賃相場の変動を簡単に解説
家賃相場の変動具合は、エリアごとに特徴が異なります。各エリアの変動状況を解説します。
関東エリア
空室率の上昇がみられる東京・銀座では、2020年の上半期から下半期にかけて、家賃相場が15%以上下落している物件もあります。人通りが減っていることで、新規の出店も慎重になる傾向があります。表参道や原宿では、家賃を下げずに募集をしている貸主が多くなっていますが、やはり慎重に検討するテナントが多いようです。退去を検討するテナントに対して、面積の縮小を提案して家賃を下げるなどの提案を行う貸主もいます。渋谷では、家賃水準に柔軟に対応する貸主がおり、募集に苦戦している現状が反映されています。
名古屋エリア
名古屋の繁華街・栄では、立地によって需要の傾向が大きく異なっています。大通りに面した物件では、募集した家賃と同じ水準で高級ブランドの出店が内定した事例がありました。その反面、一歩中に入った物件では、借り手がなかなか見つからない事態となっています。コロナの影響で、特に小規模経営のテナントは、店舗の維持が困難になっているところも増えています。
関西エリア
大阪・御堂筋では、空室が長期化している物件もみられます。面積を縮小し、家賃を抑えることで、出店のニーズを増やす取り組みを行っていますが、結果が出るには時間がかかる見込みです。心斎橋でも、面積が広く家賃が高額な物件は、希望者がみられません。梅田駅周辺では、既存のスーパーやコンビニが閉店した後でも、別のスーパーやコンビニが出店しているところがあります。売上減少を理由に家賃の減額を受け入れているオーナーもおり、柔軟な対応が行われています。
福岡エリア
家賃水準は、コロナ前と同程度とみられています。大通りに近い物件では、長期にわたって空室が続いている物件も複数ありますが、ほかのエリアに比べて家賃を下げる動きはほとんど行われていません。
今回のまとめ
新型コロナウイルスの影響が、今後どの程度続くのかは、全く予測がつかなくなっています。ここで紹介した傾向が、この後大幅に変動する可能性もありますので、こまめに動向を確認していくと良いでしょう。