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テナント・貸店舗の賃貸契約において起こりやすいトラブル
テナントや貸店舗を借りるためには、貸主と賃貸契約を結ぶ手続きが必要です。このとき、特に問題なくスムーズに手続きできれば良いのですが、時としてトラブルが起こるケースもみられます。大きなトラブルになると、契約解除や損害賠償にいたるおそれもあるため、十分注意しなくてはいけません。トラブルが起こる可能性を最小限に抑えるには、トラブルの事例を知っておくことが大切です。今回の記事では、賃貸契約で起こりやすいトラブルを紹介します。
【目次】
1.物件の賃貸契約時に起こりやすいトラブルとは
2.賃貸契約後・退去時に起こりやすいトラブルとは
3.トラブルを防ぐためにはどのような対策が必要なのか?
4.今回のまとめ
物件の賃貸契約時に起こりやすいトラブルとは
賃貸契約時には、物件の使用目的を明確にしなくてはいけません。例えば、飲食店を営業する目的で物件を借りる際には、本格的な調理が少ない「軽飲食」(カフェやバーなど)と、油や煙が多く発生する「重飲食」(中華料理店や焼肉店など)のいずれかを説明する義務が課せられます。これに違反すると、「用法順守義務違反」に該当するのです。違反をしたら即契約解除とはなりませんが、解除される可能性は高まります。
また、希望物件を複数検討するときに、入居申込みを同時に行ってしまうと、入居審査が通らなくなります。その後の申し込みにも影響を及ぼすおそれがありますので、申し込みは1件にとどめておきましょう。
賃貸契約後・退去時に起こりやすいトラブルとは
テナントの賃貸契約後に見られるトラブルのひとつに、用途変更があります。用途変更とは、建物の使用目的を変更する手続きをさします。変更の目的や変更面積によって、用途変更を目的とした確認申請の要・不要が変わってきます。前の入居者が、用途変更を行わずに営業していた場合、次の入居者が内装工事を行えなくおそれがあるのです。このようなトラブルは少なくないのが現状で、特に飲食店関係のテナントを検討されている担当者様は注意が必要です。補償額の請求や、不動産業者に対する「重要事項説明義務違反」などの追及も必要な場合があります。
また、借主の義務とされる原状回復工事に関しては、退去時に最も起こりやすいトラブルです。店舗経営を目的としたテナント利用では特に多いため、原状回復の範囲や業者の選定などが契約書に書かれていない場合は、契約時にしっかり確認しておかなくてはいけません。原状回復の工事を行う業者が指定されていれば、必ずその業者を利用しましょう。
トラブルを防ぐためにはどのような対策が必要なのか?
テナントや貸店舗物件の賃貸契約におけるトラブルを防ぐには、契約前の確認や話し合いがとても重要です。賃貸物件を借りることで、自分たちが行いたい店舗営業がきちんとできるかどうかを見据え、物件のオーナーと何度も話しましょう。テナント物件の賃貸契約は、当事者間の契約が全てであるため、契約内容を余すことなく契約書に記載しなくてはいけません。口頭のみの説明にとどまったり、契約書に記載があっても契約締結前に説明不足の部分があったりすると、認識が異なることでトラブルに発展してしまうケースが後を絶ちません。トラブルなく物件を利用するために、契約を締結する前の段階で疑問点を解決しておきたいものです。
今回のまとめ
賃貸契約のトラブルは、起きないに越したことはありません。しかし、万が一トラブルが発生してしまったら、まずは仲介した不動産会社に相談してみましょう。さらに、問題が大きくなってしまったのであれば、法律の専門家に相談するのも手段のひとつです。