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海外オフィス・事務所の最新トレンド【アメリカ・フィラデルフィア編】
アメリカ東部・ペンシルベニア州の都市であるフィラデルフィアは、1776年に独立宣言が出された場所として、歴史に名を残している地です。アメリカ合衆国の最初の首都となった古都でもあり、宣言が出された独立記念館は世界遺産に指定されています。医療サービス発祥の地としても知られ、ニューヨークとワシントンD.C.の中間に位置し、ニューヨークからは車で2時間ほどの距離です。そんな歴史のあるフィラデルフィアにおける、オフィスや事務所の最新トレンドを解説します。
【目次】
1.フィラデルフィアの基本情報
2.フィラデルフィアの賃貸オフィス・事務所市場の変化
3.フィラデルフィアのオフィス・事務所の最新トレンド
4.今回のまとめ
フィラデルフィアの基本情報
フィラデルフィアは、アメリカ東部のペンシルベニア州にある都市です。1790年から1800年までの10年間、アメリカ合衆国の首都だった歴史があります。現在でも、アメリカの歴史を感じられるスポットが随所に残っており、国立歴史公園・独立記念館・自由の鐘・米国憲法センターなどはアメリカンドリームの象徴として訪れる観光客も多いのです。人口はおよそ158万人(2020年現在)ですが、産業の停滞や失業率の高さ、治安の悪化などが大きな問題となっています。
フィラデルフィアは、日本の秋田市とほぼ同じ緯度に位置しています。気候は温暖湿潤気候であり、夏は直射日光が強く気温も湿度も高い一方、冬は気温が下がり積雪も記録します。年間降水量は1,000mm程度であり、真冬にはブーツが必須です。主要産業は製造業であり、特に金属製造や化学、エネルギー関連、製薬関連などの企業が集積しています。
フィラデルフィアの賃貸オフィス・事務所市場の変化
新型コロナウイルスの感染拡大により、アメリカでも大都市から郊外へ転居する人が増えています。フィラデルフィアでも、人口の減少が見られました。フィラデルフィアでオフィスビルが多く建っているのは、「センターシティ」と呼ばれるダウンタウンです。ここでは、歴史的建造物と近代的なオフィスビルが混在しています。
フィラデルフィアでは、近年コワーキングスペースが増えていますが、これはバイオテクノロジーやコンピューターサイエンスなどの分野で複数のハイテクスタートアップが誕生しているためです。センターシティに加え、スクールキル川を挟んで西側にある「ユニバーシティ・シティ」にも、イノベーションが増えています。
フィラデルフィアのオフィス・事務所の最新トレンド
フィラデルフィアにある有名なオフィスビルのひとつが、2019年に完成した「コムキャストテクノロジーセンター」です。通信会社であるコムキャストのビルですが、ワークスペースやテレビスタジオだけでなく、ホテルやバー、レストランなども含まれています。フィラデルフィアの伝統を反映させ、メインエントランスにウインター・ガーデンを取り入れているのが特徴です。
建物の構造は、フィラデルフィアの気候に合わせるために、サスティナブルデザインを取り入れています。グリーンルーフやウォーターレス便器、ハイパフォーマンス冷房タワーなどの、水を効率的に使えるシステムの導入も、限りある資源を大切にする現代の傾向が反映されていると言えるでしょう。インテリアは、スタッフが働く場所を柔軟に決められるように流動的なデザインになっているのが、アメリカならではと言えます。
今回のまとめ
フィラデルフィアでは、大規模な都市再開発が進められており、先述したハイテクスタートアップもその中に含まれています。教育・医療の街として、フィラデルフィアが果たす役割は、今後さらに増えていくことでしょう。