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新型コロナウイルスによる全国の倒産件数【2020年度】
2019年12月に中国・武漢で初めて発生したとされる新型コロナウイルスは、世界中を前代未聞の混乱に陥れ、経済にも深刻な打撃を与えています。オフィス・事務所を運営する事業者の方々も、企業活動においてこれまでに数々の苦労を経験されたのではないでしょうか?今回は、新型コロナウイルス感染流行の関連倒産件数を紹介します。ここではとくに2020年度の全国の倒産件数を調査しましたので参考にしてください。
【目次】
1.2020年度に新型コロナウイルス関連で倒産したのは1,148件
2.倒産件数減少でも内訳を見るとコロナ禍の影響大
3.2020年は幅広い業種で前年よりも売上減少
4今回のまとめ
2020年度に新型コロナウイルス関連で倒産したのは1,148件
東京商工リサーチの発表によりますと、2020年度に新型コロナウイルス関連で倒産した企業は1,148件です。一方で、コロナ禍の影響の有無を問わず、2020年度に負債総額1,000万円以上で倒産したのは全国で7,163件だったといいます。意外なことに2020年度は、30年ぶりに倒産件数が8,000件を下回った年度となりました。
新型コロナウイルス感染拡大によってさまざまな事業活動に影響が出始めてから、国が経済的支援策を実施したのは記憶に新しいことです。新型コロナによって大きな打撃を受けた日本経済ではありますが、倒産件数を目減りさせることができたのは、給付金・協力金や特別融資といった国からの支援策の効果と見られています。
倒産件数減少でも内訳を見るとコロナ禍の影響大
2020年度全体で見てみると、倒産件数は意外と抑えられていたように見えますが、倒産した企業の特徴を見た場合、新型コロナの影響を色濃く感じる結果となっています。たとえば、景気低迷によってかねてから経営状態が悪化していた上場企業が、コロナ禍によって資金繰りを悪化させて倒産したケースも見られました。上場企業の倒産は2018年以来2年ぶりのことです。
負債総額が多かった倒産企業の内訳を見ると、自動車部品製造業者・電力小売業者、旅行業者・航空運送事業者・ゴルフ場経営企業が上位5社を占めています。これらの企業の倒産は、外出・旅行の自粛や製造業の工場が稼動停止した影響などが見て取れます。
2020年は幅広い業種で前年よりも売上減少
経済産業省によりますと、調査会社が実施したアンケートで、2020年は前年の2019年同月と比べて売上が低下したと答えた日本企業が回答者全体の84%を占めました。中でも、飲食店・宿泊業・フィットネスクラブ・映画館・劇団など、新型コロナウイルス感染拡大に伴って事業活動を大幅に制限された業種では、売上減少が顕著です。これらの業種では、前年同月よりも売上が低下したと答えた企業が軒並み95%を超える結果となりました。また、自動車の生産台数が大幅下落しているのも2020年度の特徴です。
世界の販売台数も同様に大きく下落しており、その水準はリーマンショックと同水準だったといいます。新型コロナウイルスの感染が拡大した結果、国同士の移動や個人の外出に制限がかかり、消費や需要が極端に減少しました。さらに、生産・製造や物流がストップし、サービス・商品の供給も停滞するという悪循環につながっています。たとえ生産やサービス提供が回復しても、不況の間に進んだ雇用・収入の減少があるため、経済全体の回復にはまだまだ時間がかかりそうです。各企業は雇用の維持や消費の促進に関する対策を求められているといえるでしょう。
今回のまとめ
未曾有の経済危機を引き起こした新型コロナウイルスですが、まだまだ事態は収束の兆しを見せていません。2020年度は政府の支援策によって倒産を免れた中小企業も多数ありましたが、今後も継続的な施策がないと、経済の低迷はさらに長引いてしまう恐れもあります。