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日本企業における2021年の産休・育休の取得率
以前と比べてかなり浸透してきた感のある産休・育休ですが、さまざまな理由からまだまだ妊産婦さんが希望するように産休・育休を取得できていない現状もあるようです。今回は、日本企業について、2021年7月現在で調べうる最新の産休・育休取得率を紹介します。幅広い業種の事業者の方は、より良いオフィス運営のための参考にしてください。
【目次】
1.日本企業における最新の産休・育休取得率は?
2.産休・育休を取得しなかった理由とは?
3. 2021年に改正が公布された育児休業法とは?
4.今回のまとめ
日本企業における最新の産休・育休取得率は?
厚生労働省の報告によりますと、2020年度の日本企業における育児休業取得率は女性で83.0%、男性で7.48%となっています。女性の育休取得率は2007年に80%を超えて以来、2020年に至るまで80%台で推移しているのが特徴です。一方の男性は、2020年にマークした7.48%が2021年現在過去最多となっており、女性の育休取得率が80%を超えた2007年は、わずか1.56%でした。男性の産休・育休についての議論・取り組みはまだまだ始まったばかりといった印象です。
また、育休の期間ですが、2015年の調査によると、女性は90%以上の人が6か月よりも長く取得し、男性は56%以上の人が5日未満しか取得しなかったと報告されています。育休取得期間においても、男女間の差が大きく開いていることがわかります。
厚労省調べではわからない実際の育休取得率とは?
先ほどお伝えした育児休業取得率は、出産を前に退社した人などの数を含んでいません。厚労省の「雇用均等基本調査」の中で女性の育休取得率が高い理由は、会社に在籍している人の取得率を調べた値であるためともいえます。
ちなみに、2020年度の出産数から見た育休取得率は40%程度となっています。さまざまな境遇・職業の人が含まれる数値ではありますが、この結果からは、育休を取得できない・しにくいという理由で会社を退職してしまう人も一定以上いることが考えられます。
産休・育休を取得しなかった理由とは?
日本の企業で、育児休業を取得しなかった理由について見てみましょう。男女ともに取得しなかった理由で多かったのは「会社で育児休業制度が整備されていなかったから」です。ほかにも「職場が育児休業を取りにくい雰囲気だった」「業務が繁忙で人出が足りなかった」などという理由も件数の多さで上位にあがっています。
また、「自分にしかできない仕事や担当している仕事があった」という理由もとくに女性には多かった理由です。制度の不整備だけでなく、周囲への配慮や仕事への責任感が産休・育休を取得し損ねている理由として多い点も特徴的といえるでしょう。少数意見の中には、会社の育休制度について知識がなかったという意見も見られ、会社側に問題点が少なくない背景を浮き彫りにしているといえます。
2021年に改正が公布された育児休業法とは?
「育児休業法」は介護休業法とあわせて、2022年4月から改正法が施行されます。育児休業法とは、原則1歳未満の子の育児にあてる休暇に関する法律です。
このたびの改正は、男性の育児休業取得促進をはじめ、育児休暇を取得しやすい職場づくり、育児休暇の分割取得、パート・アルバイト従業員の育休取得の要件緩和などを目的としています。育休期間の延長ができたり、要件を満たす非正規社員にも育休が取得しやすくなったりするなど、仕事と家庭生活・育児の両立をより支える内容となっています。
今回のまとめ
女性の育休取得率75%以上など一定の要件を満たした企業は、子育てサポート企業に認定され、所定のマークを使用する権利などが得られることをご存じでしょうか。もはや産休・育休は、社員のためだけではなく、会社自体の評価を左右する時代になっています。旧態依然の価値観を刷新し、出産・育児について社会全体で取り組む姿勢が必要です。