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2021.08.02

ビルオーナーは、賃借人を自由に選ぶことができるのか?

オフィスを借りるときに避けられないのが入居審査です。気に入った物件を見つけることができても、オーナー側の審査を通らなければ、そこにテナントとして入居できるかはわかりません。通常の賃貸に比べて、オフィスビルは入居審査が厳しいと言われています。審査のために用意しなくてはいけない書類も多岐に渡るでしょう。それでは、果たしてビルのオーナーは賃借人を自由に選ぶことができるものなのでしょうか?今回はこのテーマで、入居審査の仕組みや傾向について説明していきます。

【目次】
1.テナントの入居審査
2.入居審査の傾向
3.オーナーが入居審査を厳しくする理由
4.今回のまとめ

テナントの入居審査

「ビルオーナーは、賃借人を自由に選ぶことができるのか?」というテーマの結論を出す前に、テナントの入居審査についてご説明しましょう。賃貸契約を結ぶときには、不動産会社とオーナーによる入居審査というのがあります。入居審査でチェックされているのは、「賃料を払える十分な収入があるかどうか」、「連帯保証人の支払い能力」、「オフィスをどのように使うのか、物件と合うのか」などです。
テナント側はさらに、事業内容や財務状況などが確認できる書類を提出する必要があるでしょう。新しく事業を始める会社であれば実績がないため、事業計画書や契約者本人の収入や預貯金も見られるかもしれません。
また、民間の調査会社による「信用調査」の評価点数も参考にしたり、将来的に成長が見込める会社なのかどうかなども見られます。ビルオーナーは提出された資料を確認し、必要とあれば契約者の人柄などを見るために、面談の機会を設けることもあるでしょう。

入居審査の結果

書類のチェックと面談まで終わったあと審査に入り、入居審査に通ったかどうかの連絡が行きます。問題がなければそのまま通りますし、審査を進める中で「やはり支払い能力に問題がある」、「事業計画に無理がある」、「反社会勢力と関わりがありそう」などの懸念が出てきた場合、ビルオーナーにより入居を断られるケースもあるでしょう。また、そのようなはっきりした理由がなくても「他のテナントとトラブルを起こしそう」など、人柄の面で落ちる可能性もあります。
賃貸契約における入居審査は、ビルオーナーによるリスク回避のためのものとも言えるので、結論としては「ビルオーナーは、賃借人を自由に選ぶことができる」と言えるのです。

入居審査の傾向

実は同じ入居審査でも、オーナーによって傾向が違うことがあります。もちろん賃料の支払い能力や、連帯保証人などの基本的な部分はどんなオーナーであっても重視しますが、大きく分けて二種類のタイプのオーナーがいるでしょう。
一つは個人オーナーで、個人で判断するので好みやその業種に理解があるかどうか、入居者との相性などが大きく影響します。二つ目は管理会社や大手デベロッパーです。こちらは数字やデータを重視し、個人的感情は抜きで合理的に判断します。その他に、地域に根ざした不動産管理会社がオーナーという場合もあるでしょう。その場合は、長期で入居してくれるテナントを好み、硬めの業種が通りやすいなどの傾向があると言われています。

オーナーが入居審査を厳しくする理由

オーナーが自由に賃借人を選べるということは、オーナーの意見は絶対なのかというと、そういうわけではありません。現代は、借地借家法により、オーナーよりも借り手の方が立場としては強いのです。オーナーは契約後に簡単に契約解除をすることができません。そのため、入居審査の時点で少しでも怪しいと思った申込者は、断ることにしている場合が多いでしょう。

今回のまとめ

今回は、「ビルオーナーは、賃借人を自由に選ぶことができるのか?」というテーマを解説しました。結論としてはオーナーは自由に選べるわけですが、それは契約後は契約解除が簡単にできないためということでした。気に入ったビルに入居したいなら、事前に必要書類などを揃え、万全の体制で入居審査に挑むのがいいでしょう。

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