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2021.07.27

事務所・オフィスを移転した時の登記に関する手続きを解説

一般住宅の引越しにも各種の手続きはつきものですが、オフィス移転で必要となる手続きはさらに多く、漏れなく対応するのは楽な仕事ではありません。また、特に公的機関への届け出には明確な期限が儲けられていることがほとんどですので、期日管理も煩雑となりがちです。今回は、事務所・オフィスを移転した時に必要となるそうした公的な手続きのうち、代表格の一つともいえる登記の手続きを取り上げ、解説していきます。

【目次】
1.事務所・オフィスの移転時には「移転登記」が必須
2.本店移転時と支店移転時の違い
3.管轄内移転か管轄外移転かで費用が異なる
4.早めの移転登記申請で他手続きをスムーズに進められる
5.今回のまとめ

事務所・オフィスの移転時には「移転登記」が必須

移転登記申請は、事務所・オフィスを移転する際の義務として会社法に定められているものです。すべての手続きを自分で行うのが難しいようであれば、専門家である司法書士に依頼するほか、近年ではオンラインサービスも利用可能ですので、状況に合わせて活用を検討してみましょう。(手続きの内容により司法書士に依頼する場合の料金は変わってきますが、登録免許税込みで5万円前後からが相場です。オンラインサービスはそれよりも安くなることが一般的です)
移転前と移転後の住所が同じ法務局の管轄エリア内である場合は「管轄内移転」、管轄法務局が新旧オフィス・事務所で異なる場合は「管轄外移転」となります。管轄内移転の場合は当該エリアを管轄する法務局1ヶ所で申請を行いますが、管轄外移転の場合は移転前の住所と移転先の住所を管轄するそれぞれの法務局への申請が必要ですので注意しましょう。

本店移転時と支店移転時の違い

本店と支店がある場合、本店の移転であれば「本店移転登記申請書」を、支店の移転であれば「支店移転登記申請書」を用いて申請します。申請は移転後2週間以内に行うこととされ、期限を過ぎても移転登記申請を済ませていないと「登記懈怠(とうきけたい)」となり、会社代表者に対し100万円以下の過料が科される場合があるので注意しましょう。
また、支店を移転する場合、本店所在地での登記も必要です。逆に本店だけが移転する場合にも、本店所在地が支店所在地での登記事項とされている関係上、支店所在地での登記申請も必要となってくるケースがあります。(新旧の本店所在地のいずれかと同じ管轄エリア内にある支店については不要)
なお、従来は各管轄法務局に対し申請書を作成して個別に申請する必要がありましたが、現在では本支店一括登記申請も可能です。

管轄内移転か管轄外移転かで費用が異なる

管轄内移転と管轄外移転とでは登録免許税が異なってきます。本店の管轄内移転であれば3万円を納付しますが、管轄外移転では移転前と移転後の管轄法務局で3万円ずつの計6万円となります。さらに支店の移転の場合は、支店1ヶ所につき本店所在地の法務局分として30,000円の登録免許税が発生するのに加え、新旧の支店所在地の法務局1ヶ所につき9,000円の登録免許税もかかってきます。(ただし、本店と同じ管轄エリア内の支店が管轄内移転する場合は支店1ヶ所につき30,000円のみ)

早めの移転登記申請で他手続きをスムーズに進められる

オフィス・事務所移転に際しては、移転登記のほかにもさまざまな手続きが必要です。たとえば税務署、年金事務所、労働基準監督署、銀行などでの手続きには移転後の新オフィス・事務所の登記簿謄本の提出が求められる場合も少なくありません。そうした他手続きをスムーズに進められるよう、登記変更を早い段階で済ませておくのがおすすめです。

今回のまとめ

オフィス・事務所の移転に当たっては登記内容を変更するための申請を必ず行わなければなりません。新旧オフィス・事務所が同一法務局の管轄エリア内にあるかどうかで手続き詳細が変わるほか、移転するのが本店か支店かといったことでも諸条件が異なってきますので確認しておきましょう。
期限は移転後2週間以内と決して長くはなく、新住所での登記簿謄本が取得できないことにより他の各所での手続きに影響する可能性もありますので、早めの手続きを心がけたいですね。

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