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起業する際にまず必要となってくるのが資金です。どれだけ有望なビジネスの種を持っていても、事業化するためのお金がなければ形にできません。金融機関からの融資のほかベンチャーキャピタルからの出資という手段も考えられますが、出資するに値すると先方に判断してもらうのは容易ではないでしょう。そんな中、公的支援制度を活用することで得られる交付金は大変貴重です。ぜひ申請したい補助金・支援金について確認しておきましょう。

【目次】
1.福岡県のビジネス環境
2.スタートアップ企業向けの補助金・支援金
3.福岡県で申請可能な補助金・支援金
4.今回のまとめ

福岡県のビジネス環境

九州地方北部に位置する福岡市は、同地方で人口最多の県です。多くの企業・工場が集まる北九州工業地帯があるほか、県内各地に自動車関連の製造工場が進出しており、日本有数の自動車製造拠点となりつつあります。また、近隣の国々との距離が近く、航路や航空路線が充実しているため、そうした諸国からの観光客も多くなっています。

スタートアップ企業向けの補助金・支援金

ほとんどの公的支援事業は、補助事業者が毎年度必ず公募されるというわけではなく、公募期間も限られています。しかし、繰り返し公募されることが多い傾向ですので、こまめにチェックするのがおすすめです。
たとえば、令和5年度までの予定で進められているものとして「研究開発型スタートアップ支援事業」があり、研究開発型スタートアップの事業化を支援するための助成が行われています。こうした事業に応募し、採択されて補助金・助成金を受けるには書類を揃えるなどの手間はかかりますが、起業に必要な資金を返済不要という形で交付してもらえる貴重なチャンスといえるでしょう。

福岡県で申請可能な補助金・支援金

福岡県には県内のスタートアップ企業を対象とした県独自の事業が複数あります。ここでは県または市の事業として行われているものをいくつかご紹介します。

福岡よかとこ起業支援金

県内で新たに起業する人、事業継承する人、第二創業する人を対象とした事業立ち上げ支援です。200万円を上限として補助金が交付されます。1ヶ月半ほどの期限を区切った事業となっていますが、昨年度にも一次募集、二次募集と実施されており、複数回の実施が見込まれます。
なお、要件として、起業支援事業の実施年度もしくはそれ以前の年度の「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」の２次審査参加者、「県内市町村が実施するビジネスプランコンテスト」の参加者、「フクオカベンチャーマーケット」の登壇者のいずれかに該当することが求められます。（詳細は応募要領を参照）

福岡市新規創業促進補助金

福岡市内に本社を置く企業を対象とした福岡市独自の事業とはなりますが、会社設立時に必要となる登録免許税が補助されます。受けることができる補助額は、設立するのが株式会社である場合は75,000円、合同・合名・合資会社である場合は30,000円です。先着順で受け付けて予算を使い切った時点で受付終了となる点に注意しましょう。
なお、創業5年未満であることのほか、創業に当たり必要とされる知識を1ヶ月間かけて学ぶことを条件に登録免許税が軽減される「特定創業支援等事業」の証明を市から受けており、その特典である登録免許税軽減も実際に受けていることが要件となっています。つまり、既に半額が軽減されている登録免許税の残る半額が補助される（つまり登録免許税が実質無料となる）という支援内容です。窓口（創業支援課）で直接申請、あるいはメールか郵送で申請します。

福岡県移動スーパー参入促進費補助金

商店がほとんどなく日常的な買い物が困難な地域を車で巡回して食品や日用品を販売する「移動スーパー」事業は地域経済の活性化につながるとして、県が参入者を支援する事業です。地元スーパー（中小企業者）が自社商品を移動販売する「直営型」と、移動販売事業業者が地元スーパーの商品を引き受けて移動販売する「連携型」の2種類の事業が補助対象となります。対象となる経費の3分の1以内かつ150万円を限度額として補助金が交付されます。（新型コロナウイルス感染拡大の影響による一定以上の売上高減少が見込まれる対象者については補助率・補助限度額の引き上げあり。交付要綱を要確認）
補助対象経費には車両購入・改造費、借料・損料、備品費、広報費などがあります。随時受付していますが、予算額に達した時点で受付終了となる点に注意しましょう。

今回のまとめ

今回は、福岡県のビジネス環境に関する特徴や一般的なスタートアップ企業向けの補助金・支援金、福岡県で申請可能な補助金・支援金について紹介しました。福岡県では新規に会社を設立しようと考えている人に対する助成金・補助金事業が複数あり、スタートアップ企業にとっては有利な土地柄といえそうです。福岡県で起業を検討されている方は、事前に助成金・補助金について調べておくことをお勧めします。