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スタートアップ企業向けの補助金・支援金とその手続き【静岡県編】
起業してあまり年数がないスタートアップ企業は、実績などが少なく、金融機関やベンチャーキャピタルから出資を受けにくいものです。しかし、企業を発展させるためには新たな取り組みや、事業を継続するためには元手となる資金が欠かせません。そんなときに、利用を検討したいのが補助金や支援金制度です。この記事では、補助金や支援金の種類と、静岡県に拠点をおくスタートアップ企業が申請可能な補助金、支援金についてご紹介します。
【目次】
1.静岡県の事業者推移と盛んな産業
2.スタートアップ企業向けの補助金・支援金
3.静岡県で申請可能な補助金・支援金
4.今回のまとめ
静岡県の事業者推移と盛んな産業
富士山で有名な静岡県の事業者数は、令和元年経済センサス基礎調査によると19万3,404事業所にのぼり、全国で第10位にランクインしています。平成28年の調査から8.6%増と増加傾向です。民営事業所を、産業別にみると最も事業者数が多いのが卸売業・小売業で18%、不動産業・物品賃貸業12.5%、サービス業11.7%、建設業0.7%と続きます。一方、従業員数でみると、サービス業16.4%、卸売業・小売業16.4%、製造業12.9%の並びになっています。
また、市町村別の事業所数は、多い方から浜松市、静岡市、富士市の順。盛んな産業をみてみると、全国1位の木材・木製品、全国3位のゴム製品を含む産業が30.2%、全国2位の輸送機器が28.6%、全国1位の電機機械が11.8%と続き、多様な産業が盛んなため「産業のデパート」といわれるのも納得でしょう。製造品出荷額全国第4位であり、全国トップシェアを占める産業が多いのも特徴です。
スタートアップ企業向けの補助金・支援金
一般的なスタートアップ企業向け補助金・支援金は、国が実施しているものと地方自治体が実施しているものがあります。国が実施している補助金といえば、「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」が代表的なものでしょう。「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者を対象に事業を継続し発展させる後押しを目的に支給。一般型は上限50万円、対象経費のうち3分の2までの額が補助金額です。
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、サービス開発や試作品開発に要する設備投資の一部を支援する補助金。一般型だと上限1,000万円で、グローバル展開型の場合は、上限3,000万円まで補助金が支給されます。中小企業の場合は、補助率は2分の1、小規模企業者・小規模事業者だと3分の2と手厚いのが特徴です。これ以外にも「IT導入補助金」も利用可能。中小企業・小規模事業者が対象であり、自社の課題やニーズに合ったITツール導入の経費を補助してくれるものです。ソフトウエア費、導入関連費が対象であり、補助率は2分の1以内で30万円以上150万円未満のA類型と150万円以上450万円以内が補助されるB類型があります。
静岡県で申請可能な補助金・支援金
では、静岡県独自でスタートアップ企業が利用できる補助金・支援金制度をみていきましょう。(公財)静岡県産業振興財団が取り扱う「経営革新計画促進事業費補助金」は、新商品や新しいサービスの開発、販路開拓および生産性向上を目的とした事業に対しての制度です。補助額の上限は事業区分によって異なり、新商品や新しいサービスの開発の場合は上限500万円、販路開拓だと上限200万円、生産性向上は上限150万円です。補助率はどの事業区分も2分の1です。期日までに経営革新計画の承認を受けている事業が対象であり、審査に通ることが条件です。
商工会議所や商工会が窓口となる「小規模企業経営力向上事業費補助金」は、生産性の向上や新規需要の開拓を目的とした新たな取り組みへの経費を助成してくれるもの。50万円を上限とし、対象経費の3分の2までが対象です。補助金の申請後は審査があります。静岡県産業振興財団が行う「地域創生起業支援金」では、静岡県内に在住で、県内で起業する事業に対する支援金です。上限額200万円で、補助率は2分の1以内まで支給されます。
今回のまとめ
スタートアップ企業が利用できる補助金・支援金はご紹介したものだけとは限りません。今年度は募集がないようですが、設立間もない小規模事業者を対象とした「パワーアップ夢実現プロジェクト事業」といった補助金が2020年度にあったようです。 必要書類や条件などを確認し、利用できそうなものがあれば検討することをおすすめします。