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2021.05.27

賃貸オフィス・賃貸事務所における瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは

瑕疵担保責任(契約不適合責任)という言葉は、売買契約や賃貸契約に関連して聞かれます。特に何の問題もなければ関わることもなく過ぎていく性質のものですが、万一問題が生じたときのために、その内容はぜひ知っておきたいところです。今回は、賃貸オフィス・賃貸事務所における瑕疵担保責任(契約不適合責任)について解説します。

【目次】
1.瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?
2.民法改正により重くなった貸主責任
3.契約不適合責任のルールに基づき借主が請求できること
4.契約不適合責任のタイムリミット
5.今回のまとめ

瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは?

瑕疵担保責任(契約不適合責任)とは、引き渡された目的物(商品や物件)に契約内容との不適合がある場合、売主に問われる責任を指します。元来は売買契約に関して民法に規定されているものですが、賃貸借契約にも準用されるため賃貸物件においても有効で、貸主が責任を問われます。以前は瑕疵担保責任として規定されていましたが、2020年4月の民法改正で「契約不適合責任」という文言に変えられました。また、次章で詳述するように、条件なども変更となりました。

民法改正により重くなった貸主責任

民法改正により「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へと改められたことにより、貸主の責任が重くなりました。改正前の「瑕疵担保責任」では、瑕疵が明らかであった場合には借主側に落ち度があるとして貸主の責任は問われませんでした。しかし、改正後の「契約不適合責任」では借主に落ち度があるか否かは関係なく、契約内容に適合しない物件を引き渡した時点で貸主の責任が追及されます。
また、改正前に借主が貸主に対し取ることのできた手段は「損害賠償請求」と「契約解除請求」に限られましたが、改正後は「追完請求」「代金減額請求」も可能となりました。ただし、いずれも借主側に責任がある場合には請求できません。

契約不適合責任のルールに基づき借主が請求できること

契約不適合責任の規定により借主が貸主に請求できることには、次のようなものがあります。

不完全なものを完全なもの改めること(履行の追完)

損傷部の修繕、代替物の引き渡し、不足分の納品により、契約内容に適合した完全な状態を実現するよう請求できます。なお、貸主は必ずしも借主の希望する方法で対応する必要はなく、たとえば借主から「隣の部屋に替えてください」と言われても、元の部屋を修繕するという方法で対応できます。

代金の減額

履行の追完の請求に応じてもらえない場合、代金の減額を請求できます。(まず履行の追完を請求することが代金減額請求の前提となっています)

損害賠償

契約不適合責任は債務不履行責任であると解釈されるため、債務不履行のケースで一般的に取られる手段である損害賠償請求が可能です。ただし、貸主の責めに帰することができない事由による場合は、損害賠償請求はできません。

賃貸借契約の解除

損害賠償請求と同様に、貸主が債務不履行の場合に契約解除を請求できます。ただし、不履行内容が軽微な場合は請求できません。

契約不適合責任のタイムリミット

借主が貸主に対し責任を問うには、契約不適合を知ってから1年以内にその旨を貸主に通知しなくてはならず、その期間を過ぎると時効となって権利行使ができません。ただし、権利関係の不適合については、権利行使が可能であることを借主が知った時点から5年または権利行使が可能となった時点から10年のいずれか早いほうがリミットとなります。また、「引き渡し後6ヶ月以内」など任意の期間を契約書に別途明記されている場合はそれが優先されます。

今回のまとめ

賃貸オフィス・賃貸事務所における契約不適合責任は、引き渡し物件が契約内容に適合しない場合に貸主に問われる責任です。(2020年4月の民法改正前は「瑕疵担保責任」)
借主が貸主に対し請求権を行使するには、契約不適合を知ってから1年以内にその旨を通知しなくてはなりません。また、契約書中に任意の通知期間が定められているケースも少なくなく、その場合には契約書に明記されている期間が優先されますので注意しましょう。

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