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オフィス・事務所の賃借期間中にオーナーが変わることはあるのか
オフィスや事務所を借りている最中に、オーナーが変更になった場合、賃借人はどうすればよいのでしょう。オーナーが変わる経験が初めてだと、何をしたらよいか分からなくなるかもしれません。いざというときに慌てないように、オーナーが変更になる理由や注意点などをチェックしておきましょう。
【目次】
1.オーナーは所有物件を自由に売却できる
2.オーナーが代わることによる注意点
3.オーナーチェンジでトラブルが起こる場合も
4.今回のまとめ
オーナーは所有物件を自由に売却できる
オフィスや事務所を借りているとき、オーナーの変更に関するお知らせが届くことがあります。オーナーが同じ物件に住んでいて、顔見知りだったとしても、経営状況について事前に情報を得られるとは限りません。ある日突然、前触れもなく変更のお知らせが届くことが多く、驚かされることがありますが、慌てないようにしましょう。
法律上、物件の所有者は自由に売却をすることが認められています。売却理由は様々ですが、オーナーが資金繰りに苦しくなったり、物件を整理するために売却することはよくあることです。オーナーが変わるとともに、管理会社も変わることが少なくありません。オーナーの変更の知らせが届いたら、必ず新しい管理会社の連絡先を押さえておきましょう。
オーナーが代わることによる注意点
オーナー変更のお知らせだけでなく、新しい賃借契約書が届くことがあります。新しい契約書の内容をよくチェックし、旧オーナーとの間で取り交わした賃借契約書をもとに、不利な点がないか見比べましょう。以前の契約内容が、そのまま引き継がれることが一般的ですが、まれに「賃料」や「更新料」が値上げされる場合もあるため、納得いかない場合は交渉します。
もし、オーナーが賃料の値上げを要求していたとしても、双方が納得して契約を交わさない限り、家賃が勝手に上がることはありません。新しい契約書を取り交わさないからといって、すぐに出ていかなければならないわけではなく、旧オーナーとの間で交わした契約内容に従って契約を続けられます。大家が変わっても、契約そのものが無効になるわけではないのです。入居者が新しい条件に不服な場合、新オーナーは調停を申し立てる必要があります。
また「入金日」や「賃料の振込先」が変更になっていないか、必ず確認しましょう。古い入金先に振り込んでしまうと、家賃の払い遅れが発生してしまうため注意が必要です。
オーナーチェンジでトラブルが起こる場合も
旧オーナーが物件を任意売却した場合、オーナーの権利は新しいオーナーに引き継がれます。退去の際、敷金は新しいオーナーから返還されることになりますが、オーナーがローンを返済できなくなり、競売でオーナーが代わった場合は敷金が保護されないケースがあるため注意しましょう。
また、旧オーナーとの信頼関係が強かったとしても、新しいオーナーとの間にトラブルが起きることがあります。建て替え後に優先的に入居させるという口約束を信じて退去した後、新オーナーとの間で契約条件に関するトラブルが起き、予定していた場所に再入居できなくなるケースもあるのです。
他にも、駐車場付きのオフィスや事務所と賃借契約していた場合で、売却によってビルと駐車場のオーナーが別々になり、駐車場だけ契約更新できなくなってしまうトラブルが起こるかもしれません。賃貸物件と駐車場が、違うオーナーになるケースも想定しておきましょう。
今回のまとめ
オフィスの賃借契約中に、オーナーが変更になることは珍しくありません。お知らせが届いても慌てずに対処しましょう。新しい契約書が届いた場合、旧オーナーとの間に交わした契約内容とよく見比べ、不利な条件になっていないかをチェックします。オーナーの変更に伴い、管理会社も新しくなることが多いため、新しい連絡先や振込先などを必ず確認しましょう。