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テナントリーシングって何?その重要性と仕組み、効果について
オフィス移転やテナント募集について検索を始めると、「テナントリーシング」という言葉をよく見かけるようになります。
不動産関連の専門用語な雰囲気があるので、「それってなんだろう?」「知っておかないといけない言葉なのかな」と気になってくると思います。
今回は、テナントリーシングとは何か、その仕組みや効果について解説します。
【目次】
1.テナントリーシングとは?
2.テナントリーシングの重要性
3.テナントリーシングの仕組み
4.テナントリーシングの効果
5.今回のまとめ
テナントリーシングとは?
テナントリーシングは、商業施設やオフィスビル内の賃貸物件にテナントを誘致し、契約成立に至るまでのプロセスをサポートする営業活動のことです。略して「リーシング」と呼ばれることもあります。
簡単に言うと「空室対策+商業用不動産のマーケティング」で、物件を持っている側の用語です。
テナントリーシングと仲介業務の違い
テナントリーシングの説明を聞くと、「要は仲介では?」と思うかもしれません。
しかし仲介はあくまでも、物件を探している人に条件にマッチする物件を紹介して契約成立させるという部分のみを指します。
一方でテナントリーシングは、物件の価値と収益性を高めることを目的にしています。仲介業務だけでなく「施設にとってメリットのあるマッチングサポート」まで含む言葉なのです。
テナントリーシングとプロパティマネジメントの違い
テナントリーシングと似た言葉に「プロパティマネジメント(PM)」があります。
施設の不動産価値向上を目的とする点はテナントリーシングと共通していますが、プロパティマネジメントは収入増加策を探ったり、最適なメンテナンス計画を立てたり、コスト削減方法を検討したりといった不動産の管理・運営面からのサポートが主となります。
①テナントリーシングにより店舗やオフィスが埋まる
②プロパティマネジメントにより施設の不動産価値をさらに高めていく
という流れです。
ただし、プロパティマネジメントの一環としてテナントリーシングも手がける会社も少なくありません。
テナントリーシングの重要性
テナントが入らなければ利益が出ないのは、空き部屋となっている一般向け賃貸物件と同様です。しかし、商業用施設の場合、
・空きが多いと、ビル全体が寂れた印象になってしまう
・ブランド力・集客力向上につながるテナントを求めている
という特有の事情があります。
商業施設は多数のテナントの集合体であり、ただ埋まればいいわけではないので、的確なテナントリーシングが欠かせないのです。
そのため、誘致する対象企業を絞り込むに当たっては、立地や規模、見込み客年齢層、近隣他店舗、市場の動向などが徹底的に調査されます。
テナントリーシングの仕組み
「テナント募集」の看板を出したり、空き物件としてwebサイトに載せることもテナントの誘致活動と言えますが、それだけではテナントリーシングとは言えません。
テナントリーシングの目的は「施設の価値と収益性の向上」で、ここぞと思われるテナント候補を探し、積極的にアプローチする必要があるからです。
しかし、リーシング専門部署を抱えるような大手運営会社を除けば、施設の持ち主が自前でテナントリーシングを行うのは困難でしょう。そのため、リーシングサービスを提供している専門会社を利用するのが一般的です。
依頼を受けたリーシング会社は、
・商圏分析
・市場調査
・物件特性調査
・潜在顧客分析
・施設側の意向の確認
・既存のテナント各社へのヒアリング
など、徹底的な情報収集と緻密な調査を実施し、施設とテナントのベストマッチを追求します。
また、実際に出店契約が成立するまでの計画立案や各種調整などのサポートも行います。
テナントリーシングの効果
的確なテナントリーシングが奏功し、人気のある有力店や経営基盤のしっかりしている企業などの良質なテナントに入居してもらえれば、商業用施設やオフィスビルの不動産価値は高まり、事業性も確保されます。
テナントリーシングの成否が、施設のブランド力や収益性を大きく左右するといえるでしょう。
今回のまとめ
商業施設やオフィスビルは、テナントが入居して初めて施設として完成し機能する建物です。そして安定した収益を生む施設として発展させるには、テナントリーシングが重要なのです。
必ずしもアウトソーシングする必要はありませんが、やみくもに誘致するよりもプロのリーシングプランナーへの相談も検討してみてください。