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事務所・オフィスのゴミ出しで気をつけるべきこととは?
道路上に設けられているようなゴミ集積所は、家庭から出るゴミ専用です。事業活動に伴って生じるゴミには、家庭から出るゴミとは別の処分方法が求められます。
今回は、事務所・オフィスのゴミ出しで気をつけなくてはならないことについて解説します。
【目次】
1.事務所・オフィスから出るゴミは自治体による回収が行われない
2.事業系廃棄物は「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」に分類される
3.産業廃棄物と事業系一般廃棄物は混ぜないのが原則
4.事務所・オフィスのゴミ出しは外部委託が基本
5.事務所・オフィスのゴミを回収してもらえる例外もある
6.今回のまとめ
事務所・オフィスから出るゴミは自治体による回収が行われない
事務所・オフィスから出るゴミは、一般家庭から出るゴミ(家庭廃棄物)とは区別されて扱われ、自治体による回収は行われません。そのため、たとえ少量であっても家庭廃棄物専用に設けられているゴミ集積所に出してはいけません。
事務所・オフィスで出たゴミをゴミ集積所に出した場合や、屋外で焼却した場合などには、5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金が科せられます。
事業系廃棄物は「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」に分類される
事業活動により出るゴミは「産業廃棄物(いわゆる産廃)」と「事業系一般廃棄物」とに分類されます。指定された20種類のゴミが「産業廃棄物」で、それ以外の種類のゴミが「事業系一般廃棄物」です。
産業廃棄物には紙ゴミ、プラスチックゴミ、金属くず、ガラスくずなど、通常生じるような種類のゴミが広く含まれており、事務所・オフィスから出るゴミの多くが産業廃棄物であると考えてよいでしょう。もう一方の事業系一般廃棄物には主にどういったものがあるかというと、従業員が個人的に出したゴミ(お弁当の容器、ペットボトル、空き缶、雑誌など)です。
なお、厳密には、事業系一般廃棄物については回収している市町村もあります。また、産業廃棄物には指定の20種類とは別に、爆発性・毒性・感染性があるとして高度な管理が求められる「特別管理産業廃棄物」も含まれます。
産業廃棄物と事業系一般廃棄物は混ぜないのが原則
同じ事業系のゴミであっても、産業廃棄物と事業系一般廃棄物は混ぜないのが原則です。しかし、業務で使ったメモ用紙と、就業中に食べたお菓子の包装とが混ざるなどはおおいにあり得ることで、逆にこうした混入を完全に防ぐのは困難といえるでしょう。そのため、産業廃棄物と事業系一般廃棄物の分別の徹底を求める自治体も多い一方で、事業系一般廃棄物の処理法が自治体ごとに異なっているというのが現状です。
また、市区町村によっては、その必要性を認められた場合、限られた量の産業廃棄物を事業系一般廃棄物とあわせて処理することが例外的に許容される「あわせ産廃」の制度があります。この制度を利用するのであれば混ぜても問題ありません。
事務所・オフィスのゴミ出しは外部委託が基本
事務所・オフィスのゴミ出しは外部委託が主流であり、基本といえます。自ら処理施設に搬入することも認められていますが、運搬時に遵守しなくてはならない決まり事が多く煩雑です。
委託する場合には、複数の業者に見積りを出してもらい、料金や回収タイミングなども踏まえて最適な業者に依頼しましょう。ただし、オフィスビル側が指定する回収業者を利用しなくてはならないというケースもよくあります。
なお、無契約での委託には罰則が定められていますので、必ず書面での契約を交わします。
事務所・オフィスのゴミを回収してもらえる例外もある
事務所・オフィスのゴミを自治体に回収してもらえる場合もあります。
1回当たりの排出量が規定量(40リットル以下、10kg以下など自治体によって異なる)の範囲に収まるのであれば、事前に届け出ることで、指定の専用ゴミ袋に入れて指定の場所に置いておくと回収してもらえます。(少量排出事業者登録制度)
今回のまとめ
事務所・オフィスで生じるゴミは、家庭から出るゴミとは別で処理する必要があります。外部委託が基本となりますので、自社で任意に委託業者を決められる状況であれば、複数業者から見積りを取って検討しましょう。
家庭ゴミに比べ何かと制約の多い事業系のゴミですが、きちんとルールを守って処分することは、地域全体への貢献にもつながるはずです。