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2021.04.09

海外進出!オフィス・事務所を海外で借りるときの注意点【フィリピン編】


フィリピンは本拠地を移転してくる海外企業への厚い待遇で知られる国です。さまざまなメリットを求めてフィリピンでの事務所開設を検討している会社は多いことでしょう。しかし、現地には日本とは大きく異なる賃貸事情があるため、知らないと後でトラブルになりかねません。ここでは、フィリピンでオフィスを借りるときの主な注意点を解説します。

【目次】
1.初進出なら「エコゾーン」のオフィス・事務所を選ぶ
2.家賃一括前払いのオフィスもある
3.ネット環境の良し悪しを必ず確認する
4.交通環境はあまり良くないため立地は大事
5.今回のまとめ

初進出なら「エコゾーン」のオフィス・事務所を選ぶ

フィリピンは人口増加と経済発展が著しく、最新調査では、1500以上にも上る日本の法人がフィリピンを拠点として活動していることがわかっています。フィリピンが法人開設や活動拠点の移転先として人気がある理由はさまざまですが、ひとつには「PEZA」として知られるフィリピン経済特区庁管轄のエリア「エコゾーン」で受けられる多くの優遇措置があります。
ここでは、一定期間の法人および所得税の免税、免税期間終了後に適用される特別税のほか、研修等にかかる費用等への減税措置も受けることが可能です。エコゾーン以外の場所でオフィスを構える必要性がある以外は、業務を行いやすいエコゾーンで事務所を借りるのが絶対的に得策と言えます。

家賃一括前払いのオフィスもある

フィリピンの家賃制度は、前払いでまとめて支払うのが慣習的になっている点で独特です。通常、物件には立地やニーズに応じた3段階程度のランクがあり、とりわけ最上級ランクに区分される好物件では、1年~それ以上分の家賃を一括して支払うケースも珍しくありません。それ以外のランクのオフィス・事務所でも、数ケ月分の家賃を前もって収めるのがフィリピン不動産業界の通例となっています。
条件は物件によって異なるので、家賃支払いのタイミングと予算に照らして、自社にとって無理のないオフィスを借りることが重要です。ただし、安さだけで選んでしまうと、立地・セキュリティ・設備面等で不満が生じる可能性もあるため注意しましょう。

ネット環境の良し悪しを必ず確認する

ネット環境の発達した日本と比較して、フィリピンでは未だネット環境が思わしくないエリアが少なくありません。外国人観光客が多く滞在する高級ホテルでも十分なインターネット環境が整備されているとは言えない実情があります。
企業にとってインターネット回線の不備はかなり大きなデメリットであるうえ、フィリピンで自社持ちのインターネット回線工事をするには莫大な経費と時間がかかります。オフィスを選ぶ段階で、どの程度のネット環境を確保できるのかを必ず確認しておきましょう。

交通環境はあまり良くないため立地は大事

フィリピン国内の大きな課題のひとつが渋滞の深刻さと交通環境整備の未熟さです。地方では交通インフラの整備がかなり遅れており、目ざましい経済発展とは裏腹に、物流・旅客移動面での不安要素が少ないとは言えません。道路の舗装率も低く、このことがひどい交通渋滞の一因と指摘されているため、移動や運送業務が関わる業種については、とくに周辺の交通環境や、アクセス・立地に対して慎重な検討が必要です。

今回のまとめ

フィリピンは進出してきた海外法人に税制面で優遇することで、多くの企業を誘致しています。親日家も多く英語が使用できる点も魅力ですが、オフィスを借りるにあたっては、現在のビジネス界では必要不可欠なインターネット環境や交通インフラの問題で不安もあります。フィリピンでオフィスを借りる場合には、厚遇を受けられるエリアで物件を探すほか、現地に精通した業者に仲介を依頼することも重要と言えるでしょう。

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