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居住用のマンション・アパートを事務所・オフィスとして使用できるのか?
新たに起業する場合や事業経費を節減したい場合にふとよぎるのが、「住居用とされているマンション・アパートをオフィスとして使えるのか」という疑問です。マンションに入居して事業を行っている会社や店舗はよく見かけますが、実態はどうなっているのでしょう。今回は、本来居住用であるマンションなどをオフィスに利用できるのかどうかについて解説します。
【目次】
1.居住用マンションの事業所利用は原則不可
2.無許可で居住用マンションを事務所として使ったらどうなる?
3.生活拠点を置くか家賃上乗せすれば交渉の余地あり
4.事業を行うならオフィス可物件を選ぶのが無難!
5.今回のまとめ
居住用マンションの事業所利用は原則不可
居住用のマンションでオフィスや事務所を開くことができるケースは、オーナーとの合意・契約がある場合に限られます。そもそも賃貸オフィスを探している段階で、居住用マンションであってもオフィス利用可という条件提示があれば、オフィスとして使えます。
反対に、契約で居住用にしか認められていないマンションなどを事業用として利用することは不可能です。居住用マンションは消費税がかからず、事業用物件には消費税がかかるため、マンションを事業用として貸し出すことを敬遠するオーナーもいます。
無許可で居住用マンションを事務所として使ったらどうなる?
小さな個人事務所やSOHOなどで、黙っていればわからないだろうと考えて、居住用物件を事務所として使うことは危険です。もしオフィス利用を禁じられたマンションで事業を行えば、明らかな契約違反です。それによって、最悪の場合は違約金が発生したり、契約を更新できなくなったりする可能性もあります。
賃貸物件は契約書と貸主の判断が全てです。最初に交わした契約の遵守と、何かあった時のオーナーへの相談を怠らないようにしましょう。
家賃を上乗せすれば交渉の余地あり
立地などの条件の良さから、居住用に貸し出されているマンションなどを事務所として契約したいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。先述したように、事業所用物件は税金をはじめとした必要経費が居住用に比べて多くかかりがちなので、貸主に対して家賃を上乗せすることを条件に交渉することは不可能ではありません。交渉の結果によっては、希望に応じてもらえるケースもあるでしょう。
マンションで事業を行うなら管理組合とも協調しよう
賃貸マンション等では、そこで生活している入居者との折り合いも大切です。オフィスやお店として使用することを貸主から認められ契約に至ったとしても、同じマンションの住民に歓迎されなければ、円滑な事業運営もままなりません。管理組合があるマンションでオフィスを開く場合には、貸主の同意を得て事業を行うことを説明しておくことが重要です。中には組合からさまざまな条件を求められるケースもあるので、事業活動をしやすいマンションかどうか、あらかじめ下調べしておきましょう。
事業を行うならオフィス可物件を選ぶのが無難!
同じ賃貸物件でも、消費税や固定資産税が余計にかかるオフィス・事務所用の物件は、家賃も高めに設定してあることが多いものですが、居住用マンションを借りて不正使用すれば、最悪の場合は契約解除に追い込まれるケースも考えられます。万一その住所で会社登記していれば、煩雑な登記手続きのやり直しも余儀なくされます。何よりも不正をすれば、賃貸人との信用関係が崩れてしまいかねません。
また、貸す側も居住用と定めた物件を、不正に事務所として使用させることは絶対にやめましょう。
今回のまとめ
居住用物件をオフィス・事務所として使うためには、契約書でその旨が明示されていなければなりません。住居用のマンションでも、貸主が契約内容の変更をしてくれればオフィスとして使えますが、交渉がうまくできるかどうかは未知数です。それよりも、もともと事務所として使えるマンションやアパートを探して契約し、不安なく事業を行うことをおすすめします。