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オフィス・事務所の賃貸人との契約を解除することができるトラブル
オフィス・事務所の賃貸人との契約については、特段トラブルが起こっていなくても契約を解除できます。しかし、契約書に違約金の支払いが明記されている物件の場合、トラブルの有無によって違約金を支払う必要があるのかどうかが異なるため注意が必要です。そこで、契約解除時の注意点と、違約金を支払わずに契約を解除できる可能性が高いトラブル例を紹介します。
【目次】
1.オフィス・事務所の賃貸人との契約を解除するには退去予告をする
2.オフィス・事務所の賃貸人との契約解除に至るトラブル例
3.オフィス・事務所の賃貸人との契約を解除できないケース
4.今回のまとめ
オフィス・事務所の賃貸人との契約を解除するには退去予告をする
契約を解除、つまり引っ越す時期は借主が選択できます。しかし、「明日契約を解除します」といったことは認められません。契約を解除し、退去した後は清掃やリフォーム、新しい入居者を探さなければならないためです。突然契約を解除されると、賃貸人が無収入になることから、退去予告を行う必要があります。契約書に記載された期限までに契約を解除し、退去することを通知すれば、契約を解除することが可能です。
オフィス・事務所の賃貸人との契約解除に至るトラブル例
賃貸人との契約を解除するに値するトラブル例を紹介します。なお、多くの賃貸物件は、契約期間内で契約を解除しても違約金は発生しません。
しかし、契約書に「途中解除をした場合に違約金を請求する」といった記載がされている場合、借主が違約金を支払うのか否かについて確認することが大切です。トラブル例ごとに、違約金の支払い義務についてもチェックしておきましょう。
騒音により業務に支障が出ている
オフィス・事務所として借りて間もなく、騒音により業務に支障が出ている場合、契約解除を検討するケースもあるでしょう。オフィス・事務所の賃貸人や管理会社が、騒音トラブルを防ぐために十分な措置を取っていたのであれば、賃貸人は十分な責任を果たしていると判断されます。そのため、途中で契約を解除する場合には借主が違約金を支払う、もしくは契約期間内は使用し、満了時に退去する必要があるでしょう。
しかし、賃貸人や管理会社が一切対応せず、業務に支障が出ており退去せざるをえない場合は、違約金を支払わずに契約解除することが可能です。
カビが発生した
長期間、オフィスや事務所として利用していると、天井や壁紙が黒ずんだりカビが発生したりといったトラブルが起こることがあります。電気設備の発熱が原因で壁や黒ずんだ場合、必ず付着する汚れであると判断され、賃貸人の責任で原状回復すべきと定められていることが特徴です。そのため、契約解除時に違約金を支払う必要はありません。しかし、換気をせず結露を放置するなどが原因でカビが発生した場合、必要な対処をしなかったとして借主の責任が問われます。
つまり、業務に支障が出るほど不衛生な環境になったとしても、カビや汚れの状況によって、違約金を支払わずに契約解除できるのか否かが異なるのです。
設備が故障した
オフィス・事務所に元々備え付けられていた物は、賃借人の物であるため、故障した場合は自己判断で修理をせずに管理会社や賃貸人に相談する必要があります。管理会社や賃貸人に設備の故障を訴えても対処してもらえない場合は契約解除に値するため、借主に違約金の支払い義務が発生しない可能性が高いです。しかし、故意に破損させた場合や、故障した物を放置したため修理不可能な状態になった場合、借主に過失があると判断されるでしょう。
そのため、業務に支障が出ても賃貸人に責任がなく、契約を解除せざるをえなかったとしても違約金の支払い義務が発生します。
オフィス・事務所の賃貸人との契約を解除できないケース
違約金の発生有無を問わず、基本的に退去予告をすれば契約解除をすることは可能です。しかし、定期借家契約の場合、賃貸人との契約を解除できないため注意しましょう。賃貸契約は、普通借家契約と定期借家契約があります。定期借家契約は、契約期間を自由に決められることから、1年といった短期間でも契約可能です。
しかし、賃貸人は「期間内は必ず契約を継続してもらうこと」を条件に契約を締結します。そのため、契約を途中解除ができないことが多いです。たとえ契約を途中解除できたとしても、契約期間分の賃料を支払わなければならないでしょう。
今回のまとめ
オフィス・事務所の賃貸人との契約は、退去予告をすれば解除できます。しかし、違約金に関する記載がある場合や、定期借家契約を締結している場合には注意が必要です。オフィス・事務所の賃貸人との契約を途中で解除したいときには、契約書で途中解除についての項目をチェックしましょう。