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入居しているビルの共有部の大規模修繕に賃借人の要望は反映されるのか
入居しているオフィスビルなどで大規模修繕工事が行われることがあります。これは劣化したものを修繕したり、機能を向上させたりするために行われる工事ですが、この際、賃借人が要望を出すことは可能なのでしょうか。そこでここでは、入居しているビルの共有部の大規模修繕に賃借人の要望は反映されるのかについて紹介していきたいと思います。
【目次】
1.大規模修繕工事とは
2.大規模修繕工事が行われる場所とは
3.大規模修繕工事の流れとは
4.拒大規模修繕工事の実施
5.今回のまとめ
大規模修繕工事とは
大規模修繕工事とは経年劣化してしまった建物の修繕、改修を行うことで入居者の住環境を向上させるものです。マンションやビルでは太陽光や風雨によって劣化した外壁塗装面を塗りなおしたり、防水機能を高める塗装を行ったりします。この場合、劣化する前の状態に戻すだけでなく以前よりも機能を向上させる場合があります。また、階段部分にスロープを設置したり、手すりを付けたりすることもあります。
大規模修繕工事が行われる場所とは
こういった大規模修繕工事が行われる場所としては、
屋上・庇:屋上床、排水溝、パラペット、外壁
共用廊下:廊下床、天井、外壁、手摺、排水側溝
共用階段:階段床、排水溝、手摺、芯壁
ベランダ:ベランダ床、天井、外壁、手摺壁、排水側溝
エントランス:扉、フロア床
などの他に玄関扉・枠、各種扉・枠、臭気筒、排水ドレン金物、消火栓ボックス、駐輪場、 機械式駐車場などがあります。
大規模修繕工事の流れとは
ではこうした共用部分の大規模修繕工事に賃借人の意見は反映されるのでしょうか。基本的にはオーナーや管理会社が主導で行われていくのですが、多くの場合は入居者に対してアンケート調査が実施されています。ここでは共用部分などに不具合、破損などが起きていないかと同時に簡単な希望調査が行われます。希望や要望がある場合はここで挙げておくと良いでしょう。その後、修繕業者がアンケートの結果を踏まえて実地調査を行います。そしてアンケート結果と実地調査の結果を合わせてオーナーや管理会社に対して報告することとなります。
この際、どのような要望を出してもそれが承認されるわけではありません。「多額の費用がかかる」「現在の建物と大きく雰囲気が変わる」「必要性がない」といったものは却下されることがあります。
大規模修繕工事の実施
修繕場所、改修場所と修繕方法が決定すると計画書を元に工事が実施されていきます。大規模修繕工事は、入居者は日常通りの業務を行いながらの工事となります。そのため、工事中に業務がまったくできなくなるということはありません。
ただし、足場が組まれたり、工事関係者が出入りしたりするために、まったく不便がないということはない場合もあります。ただ、基本的には導線は確保されており、安全のために警備員が配置されることもあります。工事の内容としては、「下地修繕工事」「タイル修繕工事」「洗浄工事」「外壁等塗装修繕工事」「防水修繕工事」「鉄部塗装修繕工事」などが行われます。それらの工事が終わると「足場解体工事」が行われていきます。この足場が解体されると工事は終了となります。
今回のまとめ
オフィスビルでは定期的に大規模修繕が行われます。ここでは経年劣化した外壁塗装などの修繕が行われたりするのですが、この際に賃借人が希望や要望を出すことは可能です。ただし、それは機能の向上や資産価値向上に関係があるもので、要望の内容によっては認められるとは限りません。