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2021.03.23

ビルオーナー様・管理会社必見!賃料を増額するときの手続きとは?


もしオーナー様が賃料を値上げしたいと考えたら、どのタイミングで入居テナントに告げるのが適切なのでしょうか。ある日突然「値上げしたい」と思ったとしても、それを唐突にテナントに告げるわけにはいきません。適切なタイミングでなければ、テナントと関係が悪化し、テナントが退去してしまうということも考えられるからです。賃料の値上げをもっとも伝えやすいのは、契約更新のタイミングになります。契約更新は新しい契約をし直すということですので、そのタイミングで正当な根拠を示し、賃料増額の請求をすることができるでしょう。

【目次】
1.賃料増額にあたっては正当な根拠を示す
2.賃料の増額をするときに必要になること
3.賃料の増額をするときの流れと手続き
4.今回のまとめ

賃料増額にあたっては正当な根拠を示す

なんの根拠もなく賃料増額を請求することはテナントとの関係を悪化させる可能性があるので、増額にあたっての正当な根拠を示しましょう。賃料を増額するためには、「借地借家法32条で定める要件」を満たす必要があります。

借地借家法32条で定める要件とは

要件は三つです。一つめは、「土地あるいは建物への租税、その他の負担が増えた」ときになります。二つめは、「土地あるいは建物の価格上昇、その他の経済事情の変動」があったときです。最後は、「近隣の同じような建物の賃料と比較して不相当となった」場合になります。このいずれかに該当するようであれば、契約更新のタイミングなどでテナントへ賃料の増額を請求することができるでしょう。

賃料の増額をするときに必要になること

それでは、賃料の増額をするときに必要になることをお伝えしていきます。オーナー様が賃料を増額したくても、それは一方的に行われるものではありません。テナントとの合意があって、初めて増額が成立します。そのためまずは、テナントに対して書面で通知を行いましょう。そして増額をせざるを得ない状況であることをオーナー様がテナントに説明する機会を設け、納得してもらうようにします。このとき、なぜ増額をするのか、客観的なデータや資料を提示しテナントに理解してもらうようにしましょう。オーナー様の個人的な事情により賃料を増額するというような請求は、テナントに納得してもらうのはむずかしいと言えます。

賃料の増額をするときの流れと手続き

賃料を増額するときの流れや手続きは、借主が増額に合意したのか、合意しなかったのかによって変わってきます。

借主が合意した場合

オーナー様が賃料の増額を打診して、テナントがすんなり承諾をしてくれた場合は、問題なく手続きを進めることができます。新しい額の賃料で合意書を作成するか、あるいは賃貸借契約書を作成し直しておくといいでしょう。

借主が合意しなかった場合

もし借主が賃料増額に合意しなかった場合は、物件の所在地を管轄する簡易裁判所に調停の申し立てをすることになります。申し立てをしたら、双方が簡易裁判所に出頭し、適切な家賃について第三者を交え話し合いを行っていきましょう。多くの場合、近隣の家賃相場について不動産業者の意見書や、不動産鑑定士の作成した報告書を提出します。
この調停で話し合いがまとまらない場合は調停不成立となり、それでもオーナー様が増額をしたい場合は、裁判所に賃料増額を請求する訴訟を起こすということになるでしょう。

訴訟になった場合

訴訟になったら、今度は立証が必要になります。裁判所に客観的な証拠を提出しなくてはいけないため、不動産鑑定士に賃料の鑑定をお願いする場合が多いでしょう。鑑定料は30万円から50万円ほどかかり、その他に弁護士を立てる場合は弁護士費用なども必要になってきます。それでも増額のための訴訟に踏み切るかどうかは、よく考えた方がいいかもしれません。

今回のまとめ

賃料の増額請求は、借主が納得しない場合は一筋縄ではいきません。鑑定料や弁護士費用がかかり、しかも増額がどこまで認められるかはわからないため、よく考えてから行動に移すのがいいでしょう。

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