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2021.03.18

賃貸オフィス・賃貸事務所は階数によって賃料が異なる?


同じ広さの物件であっても、角部屋かそうでないかによって賃料が異なるといったケースはごく普通にあります。では、同じつくりの物件であっても、階数によって賃料は異なるのでしょうか?今回は、賃貸オフィス・賃貸事務所の賃料と階数との関係について解説します。

【目次】
1.オフィスビルの賃料と階数の関係は、賃貸マンションとはやや異なる
2.上層階のほうが割安という逆転現象の理由は利便性
3.オフィスビルの賃料と階数の関係は、そこまで細かくない
4.オフィスビルの賃料に大きく影響するのは階数よりも景気
5.今回のまとめ

オフィスビルの賃料と階数の関係は、賃貸マンションとはやや異なる

賃貸マンションの場合、部屋からの眺望や日当たりが良くなる上層階ほど賃料が高くなるのが一般的です。タワーマンションの高層階と低層階とでは分譲価格に開きがあるのと同じ理屈です。また、1階は防犯面が不安視される傾向もあります。一方、賃貸オフィスビルの場合、上層階はむしろ賃料が割安という逆転ケースも珍しくありません。坪当たりの賃料がもっとも高額なのは、商業施設が入り多くの人が出入りして賑わう1階です。
安全で閑静な住環境が重視される一般のマンションと、不特定多数の人の往来を歓迎するオフィスビルとの性質の違いが、階数と賃料の関係における傾向の違いを生んでいるといえるでしょう。

上層階のほうが割安という逆転現象の理由は利便性

オフィスビルでも基本的には上層階ほど賃料が高くなりますが(ただし1階を除く)、低〜中層階のほうが高賃料という逆転現象も珍しくはありません。勤務場所という性質上、利便性が重視される傾向があるためです。どれだけ長時間待つことになってもエレベーターを使わざるを得ない高層階に比べ、低層階であればその気になれば階段でアクセスするという選択肢もあります。同じようにエレベーターを使ってのアクセスが前提である7階と18階を比べても、7階のほうが短時間で外と行き来できます。
また、災害時に避難することを考えると、やはり階数が低いほど有利となるでしょう。オフィスビルの階数の人気と賃料は、利便性を追求する合理的な考え方がベースとなっているといえます。

オフィスビルの賃料と階数の関係は、そこまで細かくない

一般のマンションの場合、階数ごとに細かく家賃が変わる場合が多いですが、オフィスビルではそこまで細かく分かれてはいないのが一般的です。これには、3階と4階、5〜7階などといったように複数フロアをまたがる形で借りるテナントも少なくないことが関係していると考えられます。

オフィスビルの賃料に大きく影響するのは階数よりも景気

一般マンションの賃料が短期間に乱高下することはまずありませんが、経済動向に大きく影響されるオフィスビルの賃料の場合、わずかな期間に大きく変動します。賃料に特に影響するのは、不変の階数ではなく、常に変わり続けている世の中の景気です。
オフィス移転時期を選べるのであれば、空室率が高い時期に下落した賃料で契約するのが理想的といえるでしょう。

今回のまとめ

賃貸オフィス・賃貸事務所は、階数によってその賃料が変わることが多いですが、一般マンションのように高層階ほど賃料が高いという法則は必ずしも当てはまりません。さらに、人で賑わう1階の賃料がもっとも高いというのもオフィスビルならではの特徴といえるでしょう。
また、賃料に大きく影響するのは景気と、それに連動するオフィス需要や空室率です。賃料は毎月出ていく固定費ですので、抑えることができれば決して小さくないコスト低減効果を見込めます。オフィス移転を検討しているなら、マーケット情報に敏感になっておきたいですね。

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