COLUMN
お役立ち情報
賃貸オフィス・賃貸事務所を賃料の払い忘れ・滞納した場合の手続き
忙しさに紛れてオフィス・事務所の賃料をうっかり払い忘れる、どうしても工面できず滞納してしまうといったことがあるかもしれません。そうした場合にはどうすればよいのでしょうか?今回は、賃貸オフィス・賃貸事務所の賃料を払い忘れたり滞納したりしてしまった場合の手続きについてご紹介していきます。
【目次】
1.賃料を滞納するとどうなるか?
2.賃料を払い忘れた場合に至急取るべき手続き
3.当面は賃料を払えそうにない場合に取るべき手続き
4.今回のまとめ
賃料を滞納するとどうなるか?
賃料を滞納すると、最悪の場合契約解除となり、借りているオフィス・事務所を退去しなくてはなりません。ただし、契約解除となるのは、3カ月分程度の賃料滞納があり、督促しているにもかかわらず支払いがないという状況が続いた場合です。
滞納数日〜半月後
管理会社から電話連絡があります。また、利用している保証会社が賃料の収納代行も行っている場合は、保証会社から振込用紙が届くでしょう。
滞納1〜2ヶ月後
督促状が内容証明郵便で届きます。借主の応答状況などにもよりますが、連帯保証人に連絡が行く可能性があります。
滞納3ヶ月後
賃貸借契約解除通知が内容証明郵便で届きます。
それ以降
物件の明け渡しを求める訴訟が提起され、和解が成立しなければ明け渡すよう判決が言い渡されます。借主が自主的に明け渡さない場合、強制執行となります。
賃料を払い忘れた場合に至急取るべき手続き
うっかり払い忘れただけであれば、大至急賃料を入金します。今後も貸主との良好な関係を保っていくためにも、払い忘れのお詫びを、入金予定日とともに伝えましょう。
当面は賃料を払えそうにない場合に取るべき手続き
経営状況が思わしくなく、当面は賃料を払えそうにもない場合には、どのような手続きを取るべきでしょうか。
期日前に貸主に相談する
期日を過ぎてからではなく、支払えないとわかった時点で速やかに相談することで、支払う意思のあることを示せます。承諾してもらえるとは限りませんが、期限の延長や分割払いをお願いしてみましょう。これまで遅滞なく賃料を払ってきた実績があり、滞納が一時的なことと判断されるのであれば、貸主としても今後も継続して入居していてほしいと考え、承諾してくれる可能性はおおいにあるでしょう。
期日を過ぎてから貸主に相談する
ギリギリまで金策に奔走するなどし、結果的に期日を過ぎてしまった場合は、できる限り早い段階で相談に出向きます。貸主が重視するのは、特に個人の貸主の場合、借主の誠意と返済意思です。対応が遅くなればなるほど、貸主を不安にさせ、信頼を損ないます。
新型コロナウイルス感染症対策の支援金・補助金・助成金を受給する
経済産業省や厚生労働省、商工会議所などによる各種の支援金・補助金・助成金の受給を検討してみましょう。
制度ごとに要件がありますが、基本的にはコロナ禍の影響で資金繰りが厳しくなった事業者を対象としています。制度詳細については、各機関のウェブサイトの特設ページで確認できます。
新型コロナウイルス感染症対策の特別融資を受ける
日本政策金融公庫や商工中金、小規模企業共済(契約者限定)、各都道府県の制度融資を活用した民間金融機関などの特別融資を受けることを検討してみましょう。一定の要件を満たすと無利子(制度により無利子期間は異なる)・無担保・保証料負担ゼロなどの条件で融資を受けられます。あくまで融資であるため最終的には返済が必要ですが、諸条件が大幅に緩和されており、当座をしのぐ手段として検討する価値があるといえるでしょう。
融資制度の種類や要件については、各機関のウェブサイトや、全国の商工会議所、政府系金融機関などに設置されている経営相談窓口で確認できます。
税金や保険料の減免・納付猶予を申請する
主に新型コロナウイルスへの対応として、各自治体や保険会社では、税金や保険料の減免や納付猶予を受け付けています。減免や納付猶予で余裕が出た分を賃料に回せますので、申請を検討してみましょう。
各機関の相談窓口に相談する
各機関の相談窓口で相談してみましょう。たとえば、国が小規模事業者や中小企業のために全国各地に設置した「よろず支援拠点」では、専門的な提案や、支援機関の紹介などを受けられます。受けられるサポートを見逃しているとしたら残念なことですので、早めに専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
今回のまとめ
合意の上で契約した以上、賃料を滞納することは本来あってはならないことです。しかし、そうなってしまった場合には、支払うにせよ相談するにせよ、すぐに対応することが肝要です。連絡を受けても放置するといった行為は、築いてきた信頼関係を著しく損ないます。期日を待たず、支払えないと判った時点で貸主に相談するのが最善ですが、それができなくてもいち早く何らかの対応を取ることが、誠実な借主としての信頼を失わないための唯一の方法ではないでしょうか。