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2021.03.15

「支社」「オフィス」「営業所」など拠点の呼称と使い分け


企業拠点には「支社」「オフィス」「営業所」など多くの呼称が存在します。日頃何気なく使っていることも多いこれらの呼称ですが、一つひとつの意味や違いはあまり意識されていないのが実情ではないでしょうか。
今回は、こうした企業拠点の呼称について、それぞれの持つ意味とその使い分けをご紹介します。

【目次】
1.たくさんある企業拠点の呼称とその意味
2.企業拠点の呼称の使い分け例
3.今回のまとめ

たくさんある企業拠点の呼称とその意味

企業拠点の呼称はたくさんあります。代表的な呼称とそれぞれの意味を確認しておきましょう。

本店

企業の本拠地である店舗、法的に「主たる営業所」を指すのが「本店」です。法人登記簿に記載されるのもこの本店で、会社全体としての住所は本店所在地となります。

本社

企業の複数の拠点のうち、中枢となる拠点を「本社」といい、「本店」とほぼ同義で用いられています。実は明確な定義のある呼称ではなく、企業側が任意の拠点を自由に「本社」と呼んで構わないため、法的な主たる営業所である「本店」と一致しないケースも見られます。また、東京本社と大阪本社があるなど、本社が複数あるケースも珍しくありません。

本部

事業・部門を統括する存在が「本部」です。実際の所在地とは関係なく、組織図上は本社の直下に置かれます。たとえば営業本部、ヘルスケア事業本部など、事業内容で区切った機構であるため、同一の拠点内に複数の本部があることもよくあります。

支店

「支店」は、本店に従属する拠点をいいます。商法上は、本店以外の登記拠点はすべて支店です。場所の制約はありませんが、多くの場合、本店から離れた地方の中核都市に設置されています。

支社

「支店」とほぼ同義で用いられているのが「支社」です。明確な定義がないのは「本社」同様です。顧客との対面営業を行う店舗を「支社」ではなく「支店」と呼ぶ傾向が強いです。

事業所

継続して事業活動が行われている場所そのものを「事業所」と呼びます。
なお、「◯◯事業所」と特定の場所や施設を指すだけでなく、「私が所属する事業所は◯◯支店です」といったように広く拠点を意味する言葉として用いられる場合もあります。

営業所

広義では営業活動を行う拠点すべてを指しますが、狭義では支店の統括する小規模な営業拠点を指すのが「営業所」です。支店は登記されている一方、営業所は登記されていません。また、間接部門を含む各部門が集約され“各地方の本店的存在”として機能する支店とは異なり、比較的少人数の従業員によりほぼ営業活動だけが行われていることが一般的です。

出張所

一般企業の「営業所」に当たるものとして金融機関や役所で用いられる呼称が「出張所」です。イメージとしては、顧客や住民の利便性を高めるために各所に設けられたごく小規模な事務所で、各自治体の中心部から離れた場所に設置されているケースが多いです。

サテライトオフィス

企業の本拠地から離れた場所にある就業場所を指すのが「サテライトオフィス」です。一般に、多くの従業員にとって本拠地よりも通いやすいエリアに設置されます。多様な働き方が注目されるようになったことに伴い誕生しました。

企業拠点の呼称の使い分け例

企業拠点の似たような呼称の使い分け例をご紹介します。

「本店」と「本社」

本店は、少なくとも商法上は本拠地を指します。一方、本社についてはいわゆる通称ですので、本店ではないが中枢的な拠点であることを示したい場合に「本社」が使えます。(ただし、登記上の本店と呼称の本社は一致している企業が多数派です)

「支店」と「支社」

支店は登記されている拠点である一方、支社は通称です。「本社」と呼んでいる拠点の下に連なる拠点というイメージを出したいとき、本店以外の拠点を呼ぶ際に「サービス業的な店舗ではない」ことを強調したいときなどに「支社」を用いることが考えられるでしょう。

「営業所」と「出張所」

一般企業であれば「営業所」、金融機関や役所であれば「出張所」を使います。

今回のまとめ

多くある企業拠点の呼称ですが、法的に定められている呼称以外は原則どのように使っても構いません。どういった呼称を使うかは、企業としての考え方に基づきますが、世間一般で持たれているイメージにある程度までは沿って使い分けるのが違和感を覚えさせない名づけ方となるでしょう。

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