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オフィス・事務所を借りたときに必要な消防署への届け出とは
新たにオフィス・事務所を借りる際には、さまざまな手続きが必要となってきます。中でも官公庁への各種届け出は、提出期限も厳密に決められているため気が抜けません。
今回は、オフィス・事務所を借りるときに必要となる公的な届け出のうち、消防署への届け出について説明します。
【目次】
1.消防署への届け出が必要な理由とは?
2.届け出ないとどうなるのか
3.オフィス・事務所を借りたときに必要となる主な届け出
4.必要となる届け出についての消防署への確認が大切
5.今回のまとめ
消防署への届け出が必要な理由とは?
オフィス・事務所を借りる際に消防署への届け出が必要なのは、同じ建物であっても使用形態が変われば消防用設備の設置基準なども変わり、消防署による審査・指導が安全性確保に欠かせないためです。
借りるオフィス・事務所のある地区を管轄する消防署に届け出ます。
届け出ないとどうなるのか
自動火災報知器やスプリンクラーの設置が基準を満たしていないといった不備が発覚すると消防法違反となり、行政処分の対象となる場合があります。(使用停止命令、1〜3年以下の懲役または100〜300万円以下の罰金など)
届け出義務があるのはオフィス・事務所の借主ですが、刑事責任や損害賠償責任を負うのはビルの所有者であるため、ビルオーナーに多大な迷惑をかけることにもなってしまいます。
オフィス・事務所を借りたときに必要となる主な届け出
オフィス・事務所を借りたときに必要となる消防署への届け出には、主に次のようなものがあります。
必ず提出が必要な「防火対象物使用開始届出書」
新たに賃貸オフィス・賃貸事務所を契約する際に必ず必要なのが、防火対象物使用開始の届け出です。
不特定多数の人が利用する建築物は「特定防火対象物」に、従業員のように決まった人が利用する建築物は「非特定防火対象物」に指定されており、オフィス・事務所は後者に当たります。オフィス・事務所の使用開始7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を提出しなくてはなりません。
内装工事を行う場合に提出が必要な「防火対象物工事計画届出書」
何らかの内装工事を行う際に必要となってくるのが、防火対象物工事計画の届け出です。
レイアウト変更により消防・排煙設備が不十分となったり、内装材交換により内装制限に抵触したりといった消防法違反につながらないよう、工事着手7日前までに「防火対象物工事計画届出書」を提出しなくてはなりません。
なお、居抜きオフィスを一切の内装工事なしにそのまま使用する場合は、既存の消防設備に問題がない限り、この届け出は不要です。
収容人数によっては提出が必要な「防火管理者専任届出書」
50人以上の従業員が在籍するオフィスに限り必要となってくるのが、「防火管理者専任届出書」の提出です。
防火管理者は防火管理業務の推進責任者であり、防災管理者として必要な学識経験があると認められる場合以外は、防火管理講習を修了することが資格取得条件となります。誰でもなれるわけではなく、管理的または監督的な地位にあると同時に防火管理に関する知識を持ち、強い責任感と実行力を兼ね備えた人物であることが求められています。
提出期限は特に定められていませんが、遅滞なく提出するようにしましょう。また、併せて消防計画の作成および届け出も必要です。
なお、新オフィスの防火管理者となる人が旧オフィスの防火管理者を務めていた場合には、旧オフィスの管轄消防署に「防火管理者解任届出書」を提出することも忘れないようにしましょう。
必要となる届け出についての消防署への確認が大切
オフィス・事務所を借りたときに必要な消防署への届け出には多くの種類があるため、どの届け出が必要となってくるかを消防署に確認することが大切です。管轄消防署に出向き、自社の業種や規模、工事の有無などを伝えて相談しましょう。その際、対象物件の平面図、詳細図、立面図といった各種図面を持参すると話がスムーズです。
今回のまとめ
新たにオフィス・事務所を借りる際には、管轄消防署への届け出が必要です。主な提出書類には防火対象物使用開始届出書、防火対象物工事計画届出書、防火管理者専任届出書がありますが、必要な届け出は状況により異なります。事前に消防署の確認を取り、漏れのないようにしましょう。