COLUMN
お役立ち情報
賃貸オフィス・賃貸事務所のエレベーターに張り紙を貼ることはできるか
ビル入居者やビルへの来客に広くアナウンスするために張り紙を貼る場所として、エレベーター内はうってつけのように思えます。しかし、エレベーターに張り紙を貼ることに問題はないのでしょうか?
今回は、賃貸オフィス・賃貸事務所の入っているビルのエレベーターに張り紙を貼ることの是非について解説します。
【目次】
1.エレベーターへの張り紙は原則NG
2.例外的に認められると考えられるケース
3.どうしても張り紙をしたいときは管理会社に相談の上掲示板に
4.今回のまとめ
エレベーターへの張り紙は原則NG
結論から言うと、賃貸オフィス・賃貸事務所の入っているビルのエレベーターに張り紙を貼るのは原則NGです。その理由は2つあります。
共用部に私物を置くべきでないから
エレベーターは、入居者が共同で利用するスペースである「共用部」に含まれています。賃貸料を支払うことで独占利用できる専有部とは異なり、共用部はパブリックなエリアです。
たとえばエントランスや階段も共用部に含まれますが、パブリックなエリアであるそうした場所に特定の入居者が段ボール箱(=私物)を積み上げたとしたら問題です。(この場合、避難の支障となるとして消防法にも抵触する可能性があります)
同様に、共同で利用するエレベーター内に特定の入居者が張り紙をすることも原則NGといえるのです。
ビル全体のイメージに影響を与えるから
オフィスビルのエレベーターは、入居企業だけでなく、入居企業を訪問する人たちも利用する設備です。そうした来訪客がエレベーター内で張り紙を目にした場合、ビル全体のイメージに影響し、来訪客にとって取引先企業は「そんな張り紙が貼られているようなビルに入居している企業」というイメージになります。
ビジネスにおいては対外的な印象も重要ですので、他入居企業のイメージに影響を及ぼしかねないエレベーター内の張り紙は迷惑な行為といえるでしょう。
例外的に認められると考えられるケース
エレベーター内の張り紙として例外的に認められると考えられるのは、エレベーターの定期点検についての案内でしょう。掲示板に貼るなり、各入居者に個別に連絡するなりの方法も併用すべきですが、オフィスへのアクセスに支障が出る可能性のある件に関し全関係者に間違いなく伝える方法として、エレベーター内への張り紙は理に適っています。
近く予定されている点検作業についてエレベーターの利用者に広く知らせるために、管理会社がエレベーター内に張り紙をするというのは、社会通念上妥当な行為と認められると考えられるでしょう。
どうしても張り紙をしたいときは管理会社に相談の上掲示板に
どうしても張り紙をしたい場合には、管理会社に相談の上、掲示板に貼らせてもらうようにしましょう。掲示板も共用部に含まれますが、もともと張り紙を貼るための場所であるという点がエレベーターとは大きく異なっています。
たとえ掲示板であっても無断で貼るのは慎むべきですし、張り紙の内容にもよりますが、管理会社に相談した上で貼るのであれば基本的には問題はないと考えられます。
今回のまとめ
エレベーターは共用部であるため、特定の入居者が自由に張り紙を貼ることはできません。また、エレベーター内の張り紙は他の入居企業の対外的なイメージにも影響を及ぼしかねません。どうしても張り紙を貼りたい場合には、掲示板に貼らせてもらえないか管理会社に尋ねてみるのも一案です。
管理会社がエレベーターの点検日程について案内する張り紙を貼るようなケースは例外的に認められると思われますが、エレベーター内への張り紙は基本的にNGであると考えましょう。