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賃貸オフィス・賃貸事務所で介護施設を開業する方法・注意事項
少子高齢化に伴い、日本では介護施設の需要が高まる傾向が見られるようになりました。賃貸オフィス・事務所を使って介護施設を開業するとなると、訪問介護の事務所を設置するのが最も現実的な方法です。訪問介護は、厚生労働省が定める介護施設には含まれませんが、近い役割を持っていると言えます。今回の記事では、賃貸事務所で訪問介護の事業を展開するまでの流れをご紹介します。
【目次】
1.訪問介護とは?
2.訪問介護事業を立ち上げるのに必要な設備基準とは
3.賃貸オフィスで訪問介護の事務所を借りる時の注意点とは
4.今回のまとめ
訪問介護とは?
訪問介護とは、介護の専門資格を持ったホームヘルパーが、利用者の自宅を訪れ、医療行為以外の身体介護(食事、入浴、歩行、排せつ、服薬などの介助)や生活援助(調理、洗濯、食事準備)を行うサービスです。要支援および要介護認定を受けた利用者の方が、自立して在宅生活を送るためのサポートをします。
ホームヘルパーは、介護福祉士・介護員養成研修の修了者・介護職員初任者研修修了者のいずれかを取得しており、業務に必要な知識や技術を身につけています。
訪問介護は、利用者ご本人のみを対象としており、生活上差し支えない行為(窓ガラスの掃除、家具の移動や修理、電気器具の修理、庭の草取り、ペットの散歩など)や医療行為(点滴、インスリン注射、たんの吸引など)は受けられません。
訪問介護事業を立ち上げるのに必要な設備基準とは
訪問介護事務所の事務室は、面積などの明確な基準はありません。事務作業のための備品として、机、椅子、書棚などが必要です。事務室には、管理者もしくはサービス提供責任者など常勤の職員が1人以上いないといけませんが、人数が増えるとその分広い物件を探すことになります。事務室スペースの目安は、およそ6畳分と言われています。
さらに、利用申し込みの受付や相談・職員同士の打ち合わせなどのために相談室を設け、室内の机、椅子、通信機器(電話・FAX・パソコンなど)、鍵付きの書庫なども必要です。目安としては、4畳以上あるのが好ましいと言われています。衛生用品として、洗面台、液体石鹸、消毒液、タオルなども用意しなくてはいけません。
賃貸オフィスでは、お手洗いが他のテナントと共有になっていることが多く、この場合共有の水道設備を「感染予防のための手洗い設備」として使用許可を得ることが必要なのです。これは、訪問介護事業の設備基準の重要箇所となっています。
賃貸オフィスで訪問介護の事務所を借りる時の注意点とは
賃貸オフィスの契約時には、使用目的が事務所であるため、法人名義で借りることが必須です。訪問介護事業を行うには、株式会社やNPO、合同会社などの法人格が必要ですので、設立から始めるのであれば十分な余裕をもって手続きしましょう。
物件を探す際には、駐車場の確保も同時に行うと安心です。訪問活動を行うときに、車を使用することが多いためです。また、立地条件も重要であり、利用者のお宅に訪問しやすく、かつスタッフも勤務しやすい立地で見つけると便利です。
事務室と相談室は、パーテーションで区切って分けても問題ありません。ただし、利用者の方のプライバシーが守られるように工夫が求められます。
今回のまとめ
賃貸オフィスや事務所を、訪問介護の事務所として借りる場合は、設備基準や利用者・スタッフの確保など、さまざまな課題があります。利用者の方のニーズに応えられるよう、適切な運営を目指していきましょう。