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賃貸オフィス・賃貸事務所を複数の会社で利用することは可能?
賃貸オフィス・事務所を借りる際の初期費用は、物件の規模によって幅がありますが、おおよそ総額で数十万円から数百万円にのぼります。この費用を少しでも抑えたいと思うのは、どの企業も共通している悩みではないでしょうか。
そこで思いつくのは、オフィスの一室を複数の会社で借りると、費用などが折半できるのではないかというアイディアです。この方法をとっても問題ないのか、今回の記事で解説します。
複数の会社で借りることはできるが、注意点もある
賃貸オフィスのうちの一部屋を、複数の企業が共同で借りることは問題ありません。同一の住所で、複数企業の法人登記をすることも、法的に制限されていないため、3社・4社と同じ住所での法人登記が見られるケースも多々あるのです。特に、会社を設立したばかりの段階では、取引があったり知り合いが経営していたりする既存オフィスに間借りさせてもらうことも多く、決して珍しい事例ではありません。
ただ、次の注意点を心得ておくことが重要です。
管理会社の承諾を得る
管理会社によっては、複数の会社で借りることを転貸(いわゆる又貸し)と捉えるところがあります。また、賃貸借契約書の中で、他の法人登記を禁じているところも多くなっています。
管理会社側が気づかないだろうと勝手に思い込んで、承諾をもらわずに入居してしまうと、後になって大きなトラブルに発展する恐れがあるのです。必ず事前に承諾を得ましょう。
損害賠償の責任範囲を明確にしておく
契約上では、物件に汚損や破損を生じさせた場合、損害賠償義務は契約者が負うことになっています。しかし、契約者ではない法人が物件を破損させた場合、どちらが義務を負うかの範囲があいまいになり、揉める原因になることがあるのです。
このトラブルを防ぐために、前もって企業同士で話し合い、責任範囲をできるだけはっきりさせておくと安心です。
郵便物・電話番号・ホームページの管理に気を付ける
会社が別々であっても、所在地が同じならば郵便物も同じ場所へ送られてきます。このとき郵便物が混ざり、A社充ての郵便がB社にわたることのないように気を付けましょう。特に、顧客の個人情報が含まれた郵便や、会社の経営に関する書類(税務署・役所などから届くもの)などは、たとえ同居している会社であっても中を見ることはできません。顧客情報が漏れるような事態になってしまうと、会社の信用問題にもかかわりますので、十分配慮しなくてはいけません。
同じ理由で、電話番号の扱いやホームページの記載方法にも注意しましょう。異なる会社ですので、電話番号は分けるべきものであると考えるのが妥当でしょう。また、ホームページに記載する住所が両社で同じになるのは当然なのですが、顧客がホームページを見て混乱してしまう可能性があることは気に留めておきたいものです。
シェアオフィスを探す手段も有効
経費削減を目指したいならば、シェアオフィスを借りる手段も検討すると良いでしょう。シェアオフィスは、全く繋がりのない企業がスペースを共同利用する形式で、個人のワークスペースはありません。デザイン事務所や、弁護士・税理士などの士業と呼ばれる職業の方たちの間では、以前からこのシェアオフィスの方法が使われています。
シェアオフィスでは、スペースはパーテーションで区切る程度であり、プライバシーを確保しにくいデメリットがあります。しかし、費用面ではメリットが大きく、初期費用をはじめ月々の費用も賃貸オフィスより大幅に抑えられます。さらに、異業種交流もでき、ビジネスチャンスに繋がる可能性もあるのです。
今回のまとめ
賃貸オフィスの費用を抑えるために、オフィスの一室を共同利用する場合は、ここでご紹介した注意事項をふまえながら、同居の可否を1軒ずつ問い合わせていくことが必要です。お互いが良好な関係を築けるように心がけていきましょう。