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2021.03.05

賃貸オフィス・賃貸事務所に消費税がかかり、賃貸住宅にかからない理由


賃貸物件では、住宅・オフィスに関わらず、家賃や賃料を支払う必要があります。賃貸物件にお住まいの方は、毎月の家賃に消費税が含まれていないことをご存じの方がほとんどでしょう。一方で、オフィスを借りる賃料には、実は消費税がかかるのです。この事実を知って驚かれる方が多いのですが、背景には「用途の違い」という理由があります。

【目次】
1.賃貸住宅に消費税がかからないのは特例
2.賃貸オフィスに付随する経費に消費税がかかるか否かを説明
3.マンションやアパートを事務所として借りる場合には要注意
4.今回のまとめ

賃貸住宅に消費税がかからないのは特例

国税庁ホームページによると、消費税は商品・製品の販売およびサービスの提供などに対して課税される税で、公平なものだとされています。金銭が関わるほとんどの取引に対して課税され、1989年(平成元年)に消費税が導入された当初は賃貸住宅の家賃にも消費税が課せられていたのです。
その後、1991年(平成3年)に課税対象が見直され、消費税の概念や社会政策の面からの配慮などで、賃貸住宅の家賃は非課税となりました。住宅は、人が生活していくうえで最低限必要であることから、課税対象にするのはふさわしくないとされたのです。ただし、賃貸期間が一時的なもの(1か月未満)の場合は課税対象です。
このことから、賃貸オフィス・事務所の賃料に消費税がかかるというよりも、賃貸住宅の家賃に消費税がかからないのが特例だと言えるのです。

賃貸オフィスに付随する経費に消費税がかかるか否かを説明

賃貸オフィスを契約する際にかかる仲介手数料などには、消費税がかかります。ただし、保証金や敷金は「預託金」つまり預けるお金ですので、非課税対象となるのです。預託金から引かれる償却費(物品の購入代金)や敷引き(関西で多く見られる習慣で、修繕費用に充当されることが多い)などは、課税対象となります。契約時に契約書へ貼り付ける印紙代は、税金ですので消費税はかかりません。
オフィスと併せて駐車場を借りる時も、駐車場代は課税対象です。ただし、社宅に関しては社員が住むために借りる物件ですので、名義が法人であっても家賃は非課税対象です。さらに、社宅の家賃に駐車場代が含まれており、利用する・しないに関係なく家賃も変わらなければ、駐車場代も併せて非課税扱いとされます。
自宅兼事務所として物件を借りる場合は、面積に応じて事務所部分が課税・自宅部分が非課税扱いとなります。このケースにおける消費税の計算方法は複雑ですので、契約時に詳細を確認し、不安な点は専門家に相談されることをお勧めします。

マンションやアパートを事務所として借りる場合には要注意

SOHOやフリーランスの方など、小さなオフィスで仕事をする職種であれば、マンションやアパートなどの住宅用物件を事務所として借りるケースも増えています。この場合、大家さんや管理会社から事務所利用の承諾を得ることも必要ですが、物件を探す時点で家賃表記にも気をつけなければいけません。
住宅用物件の広告に表記されている家賃は、当然ながら非課税の金額となっています。事務所利用する場合は、10%の消費税を加算する必要がある旨を心得ておかないと、毎月の賃料計算が大幅に変わってきます。毎月の負担は数千円から数万円であっても、何年も積み重なると大きな金額になりますので、物件探しのポイントにすると良いでしょう。

今回のまとめ

賃貸オフィス・事務所と賃貸住宅は、用途が異なるために、同じ賃貸物件でも消費税の扱いが変わってくるのです。会社の経費に大きく関わってきますので、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

(国税庁…https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6225.htm

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