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オフィスの建築用語「現状図・展開図・天伏図」とは?
オフィスの移転やリニューアルを検討するとき、建築用語を知っておくと、より具体的に理解することができます。建築用語は、普段接する機会が少ないため、事前に覚えておくと役立ちます。今回は、図面に関する用語について解説します。
「現状図」とは?
現在のオフィスにある設備や、オフィスのレイアウトなどを表した図面をさします。室内の寸法は正確でなくとも大丈夫ですが、デスクやキャビネットは実寸を把握することが重要です。これらの備品に加え、パソコン、プリンター、FAX、ゴミ箱、コンセントなど細かい部分まで現状図に反映させましょう。現状図を作成することで、現状のオフィスにおける不便な点や改善点などを洗い出すことができます。また、不要なものや足りないものを明確にすることで、移転やリニューアルの際に過不足なく設備を揃えられるようになります。
築年数が長く経っているビルでは、図面が残っていないこともあるため、新たに作成すると移転・リニューアル後のレイアウトが考えやすくなります。案がある程度固まってから、新しいレイアウトを表した「レイアウト図」を作成し、現状図と対比させることで、全体のバランスや部署・座席の位置などを調整・検討していきましょう。
「展開図」とは?
オフィスにおける展開図とは、エントランスやパーテーション・オフィス家具などを立体的に表した図面をさし、立面展開図と呼ぶこともあります。また、建築の場合は少し意味が異なり、壁面の開口部や設備の位置を表した立面図をさし、室内展開図と呼ぶこともあります。
オフィスの展開図は、できるだけ細かい情報を表現します。例えば、コンセントの位置を決めるために壁4面を見ていき、床から何mm・壁から何mmの場所に設置するのか、実際に設置することを想定して判断していくのです。コンセントのほかにも、窓の方向・高さ・位置、オフィス家具の設置場所なども、展開図の中で表現していく必要があります。詳細な展開図を作成し、実際のオフィスとの相違点がないように詰めていきます。詳しい展開図を作らないと、オフィスのレイアウト計画を変更せざるを得ない状況になってしまうかも知れません。
「天伏図」とは?
「てんぶせず」と読みますが、「天井伏図」(てんじょうふせず)と言われることもあります。空調機械や照明器具、消防設備など、天井に設置する設備の位置を表した図面をさします。「天井の上から、天井面を見下ろしたときの見取り図」という表現を用いることがあります。天井を下から見上げたものとは異なりますので、注意が必要です。
天伏図は、平面図と同じ縮尺で書かれます。専門的な記号で表現されるため、パッと見ても分かりにくいでしょう。少しでも不明な点があれば、業者に確認することをおすすめします。記載するのは、先述した内容に加え、室名、天井部分の凹凸、見切り材、廻り縁、天井点検口、バルコニーの裏面などがあります。天伏図を作るのは、照明器具やダクトなどの設備を配置する場所および仕上げ材の割付を決め、バランス良く配置するためです。さらに、抜けを防止したり、いらないものを取り除いたりするなどの確認時にも重要な書類です。天伏図がないと、天井を施工するときにスムーズな施工ができず、見栄えが悪い天井になってしまう恐れがあります。
今回のまとめ
満足のいくオフィス作りのためには、綿密な計画が欠かせません。今回ご紹介した図面を活用して、レイアウトを計画していきましょう。