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オフィス・事務所の賃貸借契約書上のグロス契約・ネット契約とは
オフィスを契約する際には、借主から賃貸借契約書が渡されます。その中に書かれている契約面積は、「グロス契約」の数値である場合と「ネット契約」の数値である場合があります。どちらの契約なのかを把握していないと、利用できる執務スペースが予定よりも狭くなってしまう恐れがあるのです。
今回の記事で、両契約の内容について解説しますので、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。
【目次】
1.グロス契約・ネット契約それぞれの持つ意味は?
2.契約の違いは執務スペースの面積に影響する
3.グロス契約とネット契約があるのはなぜ?
4.物件検討時にきちんと面積を確認しておこう
5.今回のまとめ
グロス契約・ネット契約それぞれの持つ意味は?
「グロス契約」とは、執務スペースの面積に加え、共用部分(廊下・お手洗い・給湯室など)の面積も契約内容に含まれている契約をさします。グロス(gross)は「全体」を表す単語であるため、このような使われ方がされています。反対に、「ネット契約」とは、執務スペースのみの面積が契約内容となっている契約をさします。ネット(net)は正味・実質などの意味があるのです。
契約面積の決め方は、借主の意向による部分が大きいのが実情です。ただ、グロス契約は中小のビル、ネット契約は1フロアに複数オフィスが入居する大型ビルに見られる傾向があるとされています。
契約の違いは執務スペースの面積に影響する
希望物件の賃料が、グロス契約とネット契約のどちらであるかについては、募集広告の段階では明記されていないこともあります。例えば、同一面積・同一賃料の物件が2件あり、片方はグロス契約・もう片方がネット契約での表記だったとします。同じ面積であっても、実際に執務スペースとして使える面積は2物件で異なってくるのです。その結果、予定していた面積が確保できなくなってしまい、デスクのレイアウトを変更しなくてはいけない事態になってしまう事例も多いのです。どちらの契約なのかが明記されていれば、この問題が起こる可能性は低いと言えるでしょう。執務スペース内にある柱の面積は、契約面積に含まれることも覚えておきたいものです。
グロス契約とネット契約があるのはなぜ?
オフィスを探している方にとっては、グロス契約・ネット契約のどちらかで統一されていた方が、物件探しがしやすいと思われるかも知れません。2種類の表示があるのは、オフィスビルの設計により、共用部と専有部の線引きが難しいケースがあるためです。単に面積のみで比較するのではなく、スペースの間取りなども考慮して決める必要があります。水回りが共用部にあると、清掃の負担が借主にかからないというメリットがあるのです。また、賃貸物件オーナーの意向で、グロス契約とネット契約のどちらかをオーナーが選ぶこともあります。
物件検討時にきちんと面積を確認しておこう
先にご紹介したように、グロス契約とネット契約では、実際に使えるスペースの面積が変わってきます。物件の広告に、どちらの面積なのかが書かれていない場合には、必ず物件のオーナーや不動産会社担当者に確認することが重要です。併せて、物件を実際に見学したときに、間取りを確認しつつデスクを置いたときのイメージを描きながら内覧すると良いでしょう。
今回のまとめ
オフィスの移転をするときには、現在のオフィスよりも使い勝手が良くなるようにレイアウトを検討されるかと思います。グロス契約とネット契約のどちらであるかをはっきり確認し、使いやすいオフィスになるよう手続きを進めていきましょう。