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オフィス・事務所を火事から守るために!安全なオフィス・事務所とは?
事務所として機能しているオフィスで、普段火気を使用する機会が少ないと、オフィスの火事について考えるきっかけがないかも知れません。しかし、火気がない場所でも、漏電などの原因で火事が起こる可能性もあるため、オフィスでの火事に関心を持っておきたいものです。
今回の記事を参考にしていただき、万が一の事態に備えていただければと思います。
【目次】
1.オフィスで起こる火事の原因は?
2.オフィスに関する消防法とは
3.オフィスで火事が起きたらどうすればいい?
4.今回のまとめ
オフィスで起こる火事の原因は?
オフィスで起こる火事は、原因が予測できないことがあるため、品川消防署管内のオフィスで実際に起きた事例をご紹介します。OA機器の埃を飛ばすエアダスターの可燃性ガスが、シュレッダーのモーターが発する火花に引火して出火したのです。また、誤ってボタン電池をシュレッダーにかけてしまい、火花が飛んで出火した事例も報告されています。さらに、UPS(停電時にパソコンへ自動的に電源を送る装置)の経年劣化が原因の火災や、コードを束ねた箇所から出火した事例など、電気器具周辺では火災が起こる可能性があるのです。
また、電気以上に予測がつかない火災として、「収れん火災」というものがあります。小学校の理科の実験で、虫眼鏡を使って紙を焦がしたのと同じ原理で、オフィスの窓際に置かれている花びんに太陽光が集まることがあります。この太陽光の熱が、書類やじゅうたんなどに蓄積すると、火災につながる恐れがあるのです。頻度はかなり低い火災ですが、リスクはゼロではありません。
オフィスに関する消防法とは
オフィスでは、レイアウトを考えるときに消防法を遵守する義務があります。消防法では、消火・警報・避難・消防活動用の4設備の設置が義務づけられているほか、防火管理者の選任(収容人数による)も必要です。管理者は、消防計画の作成・届け出、避難訓練の実施、消防設備の点検・整備などを行う責任を負います。
オフィスで、個別スペースを増やすためにパーテーションを増設する機会があるかも知れませんが、このパーテーションが天井まで届く高さであると、新しく部屋を設けるとみなされるため消防署への届け出が必要となり、同時に消火設備や警報設備の設置も行わないといけません。これに加え、火事が起こった際の避難経路を確保するために、普段から廊下を物置場としないように気をつけることも求められます。
オフィスで火事が起きたらどうすればいい?
オフィスでの火事で最も怖いのは、有毒ガスが含まれた煙を吸い込むことです。オフィスビルは密閉された空間であることから、短時間で全体に煙が充満してしまう可能性も高くなります。近年では、高層ビルにあるオフィスで仕事をする方も増えており、避難までに時間がかかることも予想されます。空気と有毒ガスを比較した比重から、姿勢を低くして避難すると言われますが、煙と混ざり合うことも多く、必ずしも安全とは言い切れません。有毒ガスによる被害を減らすためには、企業の備品として防毒・防煙マスクを備えておく必要があります。
また、消防法で設置が義務付けられている「自衛消防組織」が、災害時にきちんと機能するように、日頃から訓練をしたり備蓄を確認したりする活動が重要なのです。
今回のまとめ
オフィスでの火災は、発生する原因が多岐にわたるうえ、同じビルもしくは隣接するビルの別会社から出火する可能性もあります。火災報知器などの音を常に気にするように心がけ、火事が起こった場合にも被害を最小限に食い止めるよう行動しましょう。