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業務に集中するために!オフィス・事務所に最適な明るさとは?
オフィスの中が暗いと、仕事の効率が悪くなり、業務に支障をきたしてしまいます。働きやすい環境を整備するためには、オフィスの明るさを適切に保たなくてはいけません。オフィスに適した明るさは規定があり、その規定を満たすように設定する必要があります。
オフィスの机上では、どのくらいの明るさを保たないといけないのか、この記事でご紹介します。
【目次】
1.机上の明るさはJIS規格で基準(照度)が定められている
2.照度だけでなく輝度も大切
3.タスク・アンビエント方式が有効
4.今回のまとめ
机上の明るさはJIS規格で基準(照度)が定められている
事務所において、机上をどのくらいの明るさで保つべきかという数値は、JIS照明規準という基準で明確に定められています。事務所の中でも、場所ごとで推奨照度が異なります。明るさは、lx(ルクス)という単位で表されます。
750lx…事務室・役員室・玄関ホール(昼間)
500lx…会議室・制御室
300lx…受付・化粧室・EVホール
200lx…お手洗い・更衣室・書庫
100lx…休憩室・玄関車寄せ
50lx…屋内非常階段
これによって、事務所における照度は750lx以上でなければならないことが分かります。他にも、工場、学校、商業施設、宿泊施設、美術館・博物館など、場所や作業内容によって推奨照度が異なります。
照度だけでなく輝度も大切
オフィスの照明では、照度が大切だとご説明しましたが、照度が足りているからと言って、必ずしも私たちが感じている明るさが足りているとは限りません。これは、照度とは別に、輝度というものがあるためです。
照度は、面に対してどれだけ光が届いているかを表しています。これに対して、輝度は、光がどれだけ人間の目に届いているかを表すのです。照度と輝度の感覚が異なるのは、この違いによるものであり、私たちが実際に明るさを感じているのは、輝度なのです。輝度が不足すると、全体が暗く見えることがあり、オフィスにおいても同じことが言えます。輝度は、検証される機会が少ないため、「照度計算をしたのにオフィスが暗い」という事例が起こってしまうのです。
反対に、極端に輝度が強いと、グレアという現象が起こります。夜、車の運転中に対向車のヘッドライトの光を目に受けると、目がくらんで周囲が見にくくなる現象がありますが、これがグレアです。輝度の設計によって、空間がより明るく感じられるようにしたり、シャンデリアや夜景などのきらきらを調整することができたりするようになります。
タスク・アンビエント方式が有効
タスク・アンビエント方式とは、部屋全体の照明は暗めにして、机上は個々のライトで照らすことで、明るさを確保するものです。これにより、目に届く光の量が増えるため、明るく見えるようになります。
日本にタスク・アンビエント方式が導入されたのは、2002年のことでした。電力消費量やCO2の排出量を削減できるうえ、明るさも保てることで、徐々に全国へ広まっています。2011年の東日本大震災発生時に、福島原発事故が起きたのをきっかけに、電力消費量の削減が求められ、取り組みがさらに進められたのです。
タスク・アンビエント方式以外に、壁や柱を白くしたり、壁や天井にあたる光を増やしたりすると、反射光が目に届くようにできます。また、極端に暗い場所を作らないようにすと、全体が明るく見えるようになるため、やはり効果のある方法なのです。
今回のまとめ
オフィスに適度な明るさがないと、業務に集中できなくなり、目や肩の疲れも増してしまいます。場所に適した照度と輝度を確保し、効率良く業務を進めましょう。