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2020.12.19

オフィス・事務所を探すときに知っておきたい「耐火建築物」とは?


建物の火災が起こるリスクは、どんな種類の建物であっても避けることはできません。オフィスには、書類やパソコンなど、大変重要な情報が詰まっています。万が一火災に遭った時には、住宅とは異なる性質の損害を受けてしまうのです。そんな火災の被害を抑えられる可能性があるのが、「耐火建築物」です。
オフィスや事務所の物件を探す際には、ぜひ耐火建築物について理解しておきたいところです。今回の記事で、詳しく解説します。

【目次】
1.耐火建築物とはどんな建築物なのか?
2.耐火建築物と準耐火建築物の違いは?
3.事務所は耐火建築物に該当する?
4.今回のまとめ

耐火建築物とはどんな建築物なのか?

耐火建築物とは、柱・床・屋根・壁・階段など、建物の主要な構造部分が、耐火性能をもつ材質で建てられている建物のことを言います。耐火建築物には、次の種類があります。
・RC造…RCとは、鉄筋コンクリートの略です。鉄筋コンクリートは、鉄骨の骨組みにコンクリートを固めて作ります。
・レンガ造…鉄骨の骨組みをレンガやコンクリートブロック、石などで覆ったものです。
・鉄鋼モルタル造…鉄骨の骨組みを、鉄鋼モルタルで覆ったものです。
一般住宅よりも、マンションや公共施設、商業施設などの大型建築物に適用されることが多いのは、柱や壁が厚くなるためです。
都市計画法で、防火地域とされている場所に建築物を建てる場合には、耐火建築物とする必要があります。

耐火建築物と準耐火建築物の違いは?

耐火建築物と似た用語で、準耐火建築物という用語があります。準耐火建築物は火熱を加え始めてから一定時間の経過後に、変形などが起きていないレベルの耐火性を持った建築物です。一定時間を過ぎれば、燃えたり崩れたりしても問題ありません。
これに対して、耐火建築物は、火熱を一定時間加え、その火熱を止めてからも、形をとどめていないといけないのです。耐火建築物の方が、耐火の度合いが高いことを表しています。一定時間は、構造部分や階数などで異なります。

事務所は耐火建築物に該当する?

耐火建築物の該当条件を解説する前に、特殊建築物について解説します。特殊建築物とは、建築基準法2条1項二号に規定される建築物を言います。目安として、不特定多数の人が出入りし、災害時に速やかに避難できる建物かどうかという点で、特殊建築物に該当するかどうかが判断されます。
戸建住宅は、特殊建築物には含まれませんが、共同住宅が特殊建築物に該当するのは、そのためです。共同住宅では、一つの建物であるものの、寝ている時間帯に他の家で火事が起きた場合にすぐ避難できない可能性が高いため、特殊建築物とされています。
事務所は、建築基準法2条に規定される「特殊建築物」には該当しません。これは、事務所は基本的に同じ人が出入りする場所であり、災害時に速やかに避難できると考えられているからなのです。
次の条件に該当すれば、事務所は耐火・準耐火建築物以外の建築物で建設することができます。
・高さが13m以下
・軒の高さが9m以下
・延べ面積が3,000㎡以下
高さが13m超え、または軒の高さが9mを超えると、耐火建築物にする必要がありますが、防火上の技術的基準に適合している木造建築物であれば、耐火の条件が緩和されるのです。

今回のまとめ

耐火建築物・準耐火建築物の要件は、階数によっても異なり、複数の要件を確認しながら計画を進めていかなくてはいけません。また、建築基準法以外にも、消防法や防火対象物など、事務所を建てようとするときにはさまざまな法令をクリアする必要があります。建築士や建築業者などと相談しながら、建築計画を進めていきましょう。

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