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ビルの外壁や共用部の清掃は誰が行っているのか?
オフィスビルには、共同で使う共用部と、特定のテナントのみが使う専用部があり、共用部は誰もが使う可能性がある場所です。また、ビルの外壁は、直接触れることこそないものの、ビルの顔として存在感を放っています。
どちらも定期的な清掃が必要ですが、各所の清掃はいったい誰が行っているのでしょうか。
【目次】
1.外壁は清掃業者に依頼するのが主流
2.共用部は管理会社もしくは清掃業者が清掃することが多い!しかし…
3.共益費と管理費はどこが違う?
4.今回のまとめ
外壁は清掃業者に依頼するのが主流
ビル外壁の清掃は、高所での作業を伴います。足場を組んだり、場合によってはゴンドラを設置したりする必要があるため、基本的には管理会社を通して専門の清掃業者に依頼します。
外壁にはコーティングが施されていることが多いため、道具を使ってこすってしまうとコーティングや塗料がはがれてしまう恐れがあります。このため、清掃は水で洗い流すのみになることがほとんどです。場所に応じて、ホースや高圧洗浄機などを使用し、洗剤も併用しながら清掃を進めます。
一般的なオフィスビルであれば、2年に1回程度の清掃が好ましいとされています。一方で、幹線道路や高速道路に近い立地のビルや商業施設、飲食店などは、汚れが付きやすいため、半年に1回程度清掃することをお勧めします。汚れが蓄積していると、洗浄力の強い洗剤を使っても落ちにくくなるほか、外壁の劣化を進めてしまう恐れがあります。
共用部は管理会社もしくは清掃業者が清掃することが多い!しかし…
ビルの共用部は、ビル入口やエレベーター、お手洗いなど、共同で使用する部分です。ビルに入居する企業は、ビルの管理会社に対して共益費や管理費などを払っており、共用部の清掃にかかる費用は基本的にそれらから支払われています。このため、共用部の清掃は、管理会社または管理会社が委託した清掃会社が行うことが一般的です。
ただ、ビルによってはお手洗いや給湯室が専有扱いになる場合があり、入居している企業が清掃を担当する場合もあるようです。また、共用部であっても、汚す原因を作ったテナントがあれば、そのテナントが清掃の負担をしなくてはいけません。たとえば、飲食店として入居しているテナントが、調理場の換気扇から排出される煙や油で外壁を汚した場合は、テナントに清掃の義務が課せられます。
共益費と管理費はどこが違う?
共用部の清掃費を、共益費や管理費から支払うとご紹介しました。この2つの使い道は似ているのですが、意味は全く異なります。共益費の共益とは、共同の利益を意味しており、共用部の維持管理や電気・防災設備・給排水・機械警備などにかかる費用はここから捻出されます。共益費には、民法で先取特権(他の住民に優先して弁済してもらえる)が認められているのが、管理費と異なる点です。
一方で、管理費は建物の維持・管理のために使われる費用を言います。建物の経年劣化が原因で工事を行うときの費用は、管理費でまかなうことになります。工事などでも使われる用語であり、共益費とは違い先取特権は認められていません。共益費や管理費は、物件によって異なり、毎月の賃料に含まれている場合もあります。賃料とは別に記載されている場合でも、支払いは賃料と合わせて行うことが基本です。
今回のまとめ
日々の業務に追われていると、オフィス清掃はどうしてもおろそかになりがちです。そんなとき、清掃業者に清掃してもらえることは、時間の余裕につながります。共益費や管理費の使い道を知ることで、清掃が行われる流れも把握できるのです。