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オフィス・事務所の歴史を知る!1990年代のオフィスの様子
時代の流れとともに、オフィスの様子も変わってきています。オフィスの移り変わりは、日本における企業の歴史の推移を反映していると言えるでしょう。1989年に、時代が昭和から平成に代わり、その後1990年代前半では1991年まで続いたバブル景気が話題となった年代でした。
当時のオフィスの様子は、どのようになっていたのでしょうか。時代背景と合わせてご紹介します。
【目次】
1.1990年代初頭まではバブル期
2.バブル崩壊は日本にとって大きな転換期
3.オフィスコストの削減が始まったのも90年代
4.今回のまとめ
1990年代初頭まではバブル期
1980年代後半から1990年代初頭までは、バブル景気と呼ばれる時代が続いていました。当時は、東京23区の地価が、アメリカ全土を購入できるのと同じくらいの価格まで跳ね上がったほどだったのです。
この頃から、ワープロやパソコンがオフィスで使われるようになり、オフィス整備の必要性が高まったことから、パソコンに対応できるレイアウトのオフィスが増えていきました。急激な経済成長が起こった反動で、深夜残業が当たり前という雰囲気が増大し、待遇面での環境整備が進められた時期でもありました。多くのオフィスでは、明るい色合い・特にアイボリー系のデザインが取り入れられたのです。食堂や休憩室などが充実しだしたのも、この時期からだと言われています。
バブル崩壊は日本にとって大きな転換期
1991年から1993年にかけてバブルが崩壊すると、日本はそれまでの好景気から一転し、就職氷河期・リストラ・業務の効率化・終身雇用制の見直しなど、どの企業も体制を見直さざるをえなくなりました。「失われた20年」と呼ばれる経済停滞の時期の始まりです。
そんな中、1995年にパソコン「Windows95」が発売されたことや、自分の席を固定しないフリーアドレスの導入などにより、仕事の進め方が大きく変化していきました。Windows95が発売された背景には、1992年に日本で初めてISP(インターネットサービスプロバイダー)が登場したことがありました。これをきっかけに、IPS事業に参入する企業が増加し、1990年代中頃からインターネットが普及していったのです。オフィスにもインターネットが次々に導入され、それまで大人数で進める必要があった業務の効率が格段に上がり、少人数で進められるようになっていきました。
1990年代後期になると、世界中でITバブルと呼ばれる株価の急騰が起こり、日本でもインターネット関連企業の関連株が急騰しました。しかし、急騰も長くは続かず、株価は急降下していったのです。ただ、現在のインターネットの普及は、この頃に基盤ができたといえるのかも知れません。
オフィスコストの削減が始まったのも90年代
バブルの崩壊後、企業がそれぞれ体制を立て直すなかで、大きく重視されたのがオフィスコストの削減でした。そのひとつとして、スペースを効率的に使うために、先ほどご紹介したフリーアドレスが導入されたのです。フリーアドレスは、席を固定せずに、空いている席や自由な場所で仕事ができます。業種によって、この制度が適しているところとそうでないところがありますが、現在でも取り入れている企業は増えています。特に、外回りの営業担当者が多く在籍する企業では、空席が多くデスクを共有化しやすい傾向がみられます。
一方で、ひとつの島に同じ部署の社員が集まり、向かい合って座る「島型対向式レイアウト」を採用する企業も多数で、この傾向は現代まで続いています。ほかにも、ペーパーレスの実施・施設のスリム化・備品の厳選など、各企業が生き残りをかけてコスト削減の知恵を出していたのです。
今回のまとめ
1990年代のオフィスは、それまで企業が考えていた方向性を大きく変換する必要性に迫られていたことが分かります。と同時に、インターネットが普及する契機となった時期でもあり、現代に繋がる改革が行われた時代といえるでしょう。