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2020.10.31

オフィス・事務所の歴史を知る!1980年代のオフィスの様子

オフィスの様子は、時代によって変化するものです。現代では当たり前に用意されているパソコンや複合機なども、100年前のオフィスには存在しなかったでしょう。では、少しだけ昔のオフィスはどのような様子だったのでしょうか。ここでは、1980年代のオフィスの様子に関する知識をご紹介します。

【目次】
1.1980年代のオフィスは、OA機器が普及し始めた
2.1980年代のオフィスは、労働環境が意識されるようになった
3.1980年代後半は、深刻なオフィス不足に陥った
4.今回のまとめ

1980年代のオフィスは、OA機器が普及し始めた

1980年代は、前半はオイルショックの影響を引きずって成長が鈍化し、後半はバブル景気に突入した時期です。日本全体が、なかなか混沌とした状態になっていた時代といえるでしょう。もちろん、オフィスの様子にもさまざまな変化が生じていました。
最も大きな変化の1つが、オフィスのOA化が急速に進んだことです。80年代はワープロやパソコン、コピー機にFAXなどが普及し始めており、オフィスワークのスタイルが大きく変わろうとしていました。それまではすべて紙とペンだったものが、ワープロやパソコンでの作業に置き換わっていったのは革命的ともいえるでしょう。もちろん、当時のパソコンの性能が、今に比べて遥かに低いことはいうまでもありません。インターネットも未発達だったため、調べ物には相変わらず書籍や辞書を必要としました。小さな企業ではパソコンの導入に時間がかかり、従来通りの紙とペンの作業が続いたところもあるでしょう。
加えて、OA機器の導入によるオフィス環境の急激な変化は、いわゆるテクノストレスの原因ともなりました。このような問題点にも、企業は向き合わなければならなくなったのです。

1980年代のオフィスは、労働環境が意識されるようになった

1980年代のオフィスで起きていたもう1つの変化が、オフィスの環境改善に向けての動きです。高度経済成長期のオフィスは、がむしゃらに働くことが優先され、従業員の働きやすい環境作りは二の次になっていました。しかし、バブルの到来による残業やストレスの増加、さらにテクノストレスなどの問題もあり、「もっと働きやすいオフィスを」という意識が高まっていったのです。
実際、この頃に国が行った「国民生活に関する世論調査」では、物質的な豊かさよりも心の豊かさや生活のゆとりを求める意見が多くなっています。そのためかオフィスでも、休憩スペースの確保をはじめとする環境整備が行われ始めたのです。備品のインテリア性も重視されるようになり、グレーのスチール家具に加えてカラフルなオフィス家具が登場しました。
また、現在では多くのオフィスで採用されている、「対向島型」のオフィスレイアウトが定着したのもこの頃です。それまでは、全員が同じ方向を向いた「学校式」のレイアウトが定番でしたが、80年代からは同じ部署の人員が固まり、向かい合って座るようになります。フリーアドレスなどの発展的なレイアウトが登場するのは、もう少し後のことです。
ちなみに、当時のオフィスは喫煙可能なのが当たり前でした。分煙という意識がなく、喫煙率も高かったため、タバコが苦手な人にとってはつらい環境だったといえます。コンビニもすでに登場していましたが、現在ほどどこにでもあるような状態ではなかったため、休憩中の買い物なども多少面倒でした。

1980年代後半は、深刻なオフィス不足に陥った

最後に、当時のオフィスの供給状況について見ていきましょう。1980年代後半に入ると、オフィスビルの建設ラッシュが始まりました。これはバブルの影響でもありますが、オフィスワーカーの急増によってオフィスが不足するという、現実的な問題が関係しています。
さらに、1人当たりのオフィス面積を増やそうという動きも手伝い、オフィスの需要が増加しました。1991年頃までは、オフィスビルの空室率が極めて低い状態が続き、これが極端な地価高騰=バブルの一因にもなっていたのです。広いオフィスが確保できないため、従業員の多い企業はオフィスを細かく分散せざるをえませんでした。
しかし、その後バブルが崩壊すると、オフィスワーカーの人数は一時的に減少し、オフィスにお金をかける余裕もなくなります。その結果、オフィスの面積は縮小せざるをえなくなり、オフィスの需要も減少して、オフィスが余るようになりました。そして、オフィスワーカーが増加に転じる1994年頃までは、深刻な「オフィス不況」が続くことになるのです。

今回のまとめ

1980年代は、オフィスに大きな転換をもたらした時期だといえます。「島型・デスクにパソコン・労働環境にも配慮」という、現代では当たり前になっているスタイルも、この頃に確立されたのです。もちろん、当事生まれた文化の中には、現在すでに使いづらくなっているものもあります。昔を振り返りつつ、よりよいオフィスを作るための方法を模索してみましょう。

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