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コラム 2022.05.31

賃貸オフィスでもABWは導入できる!フリーアドレスとの違いやメリット


ABWとは「Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略で、最近話題の働き方です。新しい働き方を取り入れることで、生産性向上の可能性が生まれます。これから賃貸オフィス利用を始める方も、ABWに注目してみてはいかがでしょうか。
今回はABWに興味がある方のために、その特徴を解説します。類似概念であるフリーアドレスとの違いを踏まえながらご紹介するので、新しい働き方を実践するヒントにしてください。

ABWとは?フリーアドレスとの違い

まずはABWとフリーアドレスの違いを知っておきましょう。前者は業務状況や従業員の希望に合わせて、働き方を選べるスタイルです。後者の採用例もありますが、働く場所や環境整備の範囲、運用目的などが異なるので注意が必要です。ここでは、ABWの基本的な定義をご紹介します。

ABWの定義

ABWはノートパソコンなどの電子機器を使いながら、場所や時を選ばずに働き方を決められるスタイルです。従業員にとっていつでも最適な状況で働けますので、過労対策にもつながるでしょう。
働く場所は自宅やコワーキングスペース、カフェテリアなど千差万別です。たとえば子育てしながら働く場合は自宅が理想的ですが、落ち着いた雰囲気で働きたいと思ったら、カフェテリアや図書館などが向いている可能性があります。
業務内容に応じて働きたい時間や場所を設定できるのがABWの魅力です。仕事によってはほかの方との共同作業もありますが、そのときは都度場所を決めれば問題ありません。ABWはオフィスという概念にとらわれず、自由に働き方を決められます。

ABWとフリーアドレスでは働く場所が異なる

この2つの労働形式には、働く場所の違いがあります。フリーアドレスは固定席がないだけで、大まかな場所は特定のオフィスのように決まっていますので、オフィスの中なら気分次第で好きな席に着いて作業を進められるのです。
ABWは場所の縛りがありません。オフィスにわざわざ行かなくても、自宅やカフェなどで仕事ができます。そのため在宅勤務にも対応可能です。
フリーアドレスは座席の位置を変えられますが、決まった場所で毎日働くという縛りがあります。労働時の利用範囲では、ABWの方が広いのです。このように仕事に使える場所の範囲が異なる点に注目してください。

ABWは本格的な環境整備ができる

フリーアドレスはスムーズな業務を目指しますが、勤務場所はひとつに絞った形です。従業員がやりがいを感じられる環境づくりを目指す目的もあります。
一方で、ABWなら環境整備を本格的に進めることも可能です。勤務場所の範囲を広げるだけでなく、パソコンやタブレットのような電子機器、備品、従業員の生活にも注目して、理想の環境を作ることができます。
従業員が働きやすくするように、就業規則から全体的に見直すのがABWですので、環境整備の範囲が広いのです。

運用目的もチェック

何のために活用するかで、労働環境の形が異なります。自身のオフィスの課題を見つけたら、解決のためにどちらが得かを確かめてください。取り入れる形式によって、期待できる効果が違うからです。
フリーアドレスは専用スペースやコストカットが目的になります。自由に席を決める前提のもと、生産性を上げるための備品を配置する形です。このようにオフィス環境から生産性向上へのアプローチを進めます。
ABWは仕事内容に応じて場所を決める形です。オフィス環境だけでなく、従業員の生活や労務管理などあらゆる面からアプローチします。労働環境やルールの全面的な見直しにより、業務効率化につなげるのです。

ABW導入のメリット・デメリット

ABW導入によってもたらされるメリットを4つご紹介します。
・コスト削減が可能
・優れた人材を集められる
・生産性向上につながる
・従業員のモチベーションを上げられる
それぞれの詳細を以下で見ていきましょう。

コスト削減が可能

ABWを取り入れれば、従業員の出勤義務がなくなるため、コスト削減につなげられるでしょう。出勤の手間が省ければ、従業員にとっては通勤時間・コストのカットだけでなく、子育てやほかの仕事などとの両立もできます。
フリーダムな働き方で成果を上げられるのがABWの特徴です。好きな時間と場所で仕事を進めることで、従業員がやりがいを感じられます。そのため事業者は従業員に好ましい環境を与えやすいのです。
資料のペーパーレス化によって、労働環境がスッキリするのもポイントです。クラウド型のソフトウェアを積極的に使うことで、紙媒体の資料を管理する手間をカットできますので、紙やコピー、印刷、保管場所などの削減にもつながり、設備投資の削減も可能です。このようにコストを見直す目的でも、ABWは検討材料になります。

優れた人材を集められる

ABWのおかげで、優れた人材を集めやすくなるでしょう。優れた人材は、働きやすい環境を求めるからです。事業者は顧客だけでなく、働く側のニーズに応えることで、優良企業へ変化していく可能性があります。
柔軟なワーキングスタイルで生産性に優れた企業とイメージしてもらえれば、良い人材が応募しやすくなるほか、入社後の定着率アップにもつながるでしょう。イメージアップからの生産性向上という好循環に期待できます。
生産性向上による業績アップから、就職市場での注目度を高められるため、従業員の満足度向上は優秀な人材集めにつながります。理想の人材を求めるなら、環境から見直してみてはいかがでしょうか。

生産性向上につながる

ABWによって、自由に働ける環境をつくることで従業員のやりがいを引き出せるため、生産性の向上につなげることもできます。従業員のモチベーション向上は、職場の雰囲気を良くします。
仕事内容に合わせて働き方を選べるのもポイント。理想の環境の実現により、仕事に対するモチベーションを上げられるからです。環境改善によって働く人のやる気を引き出せば、仕事の効率もアップするでしょう。
子育てや趣味のある従業員にとっても働きやすいのがポイントです。限られた時間で高い生産性を維持できれば、企業貢献に結びつきます。
以上からABWは、従業員のやりがいに注目した労働環境の改善法です。

従業員のモチベーションを上げられる

最後は従業員のモチベーションを上げられるというメリットにも要注目です。従業員にとってABWは働き方改革に好都合といえます。好きな時間に好きな場所で働けると聞けば、従業員の精神的負担が軽くなるでしょう。
働く方のモチベーションアップには、ワークライフバランスの実現がポイントです。バランスが整っていれば、普段の生活リズムを崩さないで仕事に集中しやすくなります。そうした意味でも子育て世代にとって、ABWは仕事を進めやすい環境です。
仕事に対する自主性も、広い意味でのモチベーションです。リモートワークの奨励により、チャットツールでなら気兼ねなくアイデアを提案できる可能性もありますので、面と向かって話しづらいことも積極的に発信しあえるのがポイントです。
以上から従業員のモチベーションアップには、対面型以外のコミュニケーション方法を探るのも選択肢になります。

賃貸オフィスにABWを導入する際の流れと注意点

ABW目的でオフィスを借りるなら、流れだけでなく、注意点も知っておいてください。業種によってABWを取り入れる必要性が違います。また、労務管理や社内整備の手間にも気をつけましょう。
ここでは、ABW導入の流れと注意すべきことをご紹介します。

ABW導入の流れ

ABW導入にあたっては、大まかに以下の流れを把握してください。
1. 労働環境の現状チェック
2. ABWがマッチする可能性の検証
3. レイアウト設計
現状チェックは、オフィスに対する客観的な分析です。従業員の不満や悩みを聞き出し、解決方法を見出してください。
ABWが適合する可能性の検証も大切です。ABWで問題解決できるかどうかを確かめましょう。
ABW実現が生産性向上につながると判断したら、レイアウト設計に入ります。必要なスペースのチェックから始まり、備品配置を決める形です。並行して就業規則の改善も進めてください。
このように導入の流れを踏まえることで、労働環境の改善がスムーズに進みます。

業種によってABWが合う可能性が違う

業種によって適切な労働環境が違います。ABWは、コストを削りながら働く人のやりがいを引き出すのに効果的ですので、働き方のルールが従業員に合っていれば、生産性向上に結びつきます。
フリーアドレスはコスト削減が主目的であり、業種によっては直接的なコミュニケーションがないと成り立たないことも多いため、一定のコミュニケーションは残します。
どのような労働環境がふさわしいかを判断するためにも、自身の業種や従来の働き方をひととおりチェックしてください。

労務管理が難しい点に注意

オフィス外で働く従業員だと、仕事内容や労働時間がわからないケースがあるため、ABW導入後は労務管理の難しさには注意しなければなりません。仕事の実態をつかみづらいために、勤怠管理や人事評価が難しい企業も想定されます。
事業者に隠れて不正行為を働くケースにも要注意です。トラブルを防ぐ意味でも、オフィスから離れた場所での仕事を認める場合、こまめなコミュニケーションが重要。仕事の進捗状況を積極的に問うことで、一定の緊張感をキープできるからです。
ABW導入を考えるなら、労務管理も見直しましょう。

社内整備の手間にも注意

ABW導入の際にかかるコストには注意が必要です。業績に悪影響を及ぼすほどコストがかかるようでは、ABWを導入する意味がありません。
また、労働環境の整備後に意思疎通が少なくなり、これまでよりミスが目立つこともありますので、チームの一体感を失わないための配慮が必要です。
ABW導入後は、新しいコミュニケーションの取り方を周知しましょう。

今回のまとめ

ABWは働き方を自由に決められるスタイルのひとつです。労働環境だけでなく、自宅や図書館などでも仕事を進められます。その結果、社内のコストだけでなく、生産性の向上にもつながるのです。
ただし、オフィス外での労働を認めることは、労務管理やコミュニケーションを改める必要性にもつながります。コミュニケーションがおろそかになると、仕事のミスがかえって増えるかもしれません。以上の事態を避けるために、ABW導入を考えるときはレイアウト設定に加え、新体制開始後の労働マニュアルまで慎重に考える必要があります。
名古屋に本社があるオフィッコスでは、オフィスの賃貸仲介を扱っております。物件探しのご相談も、随時承っておりますので、ABWに使える仕事場をお探しの事業者様は、ぜひお問い合わせください。

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