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コラム 2022.05.23

オフィス・事務所で利用できる「欄間オープン」「欄間クローズ」の基本


オフィス用のパーテーションは、種類によって高さが大きく異なります。そのうち天井まで届くハイパーテーションと呼ばれる種類は、上部に隙間のある「欄間オープン」タイプと、隙間のない「欄間クローズ」タイプに分類することが可能です。このようにパーテーションの種類はさまざまなので、用途に適したものを選びましょう。
本記事では、欄間オープン・欄間クローズそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

「欄間オープン」の特徴とメリット・デメリット

パーテーションのタイプの一つである「欄間オープン」タイプには、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは特徴に加え、メリット・デメリットもご紹介します。

欄間オープンの特徴

欄間オープンタイプは、パーテーション上部に隙間があるのが特徴です。天井まで高さがあるため、空間はほぼ完全に区切られます。
そもそも欄間(らんま)とは、日本建築様式に用いられる部材の一つであり、天井と鴨居または長押の間に隙間を設けるために使うものです。部材によって開いた隙間を欄間と呼ぶケースもあり、パーテーションの場合は、部材ではなく隙間を指す用語として用いられます。
欄間があれば、壁や襖などで部屋が分かれていても隙間から光を入れたり風を通したりできるため、空間を快適に保てます。また、装飾目的で用いられるケースも少なくありません。

欄間オープンのメリット

オフィス用パーテーションで欄間オープンタイプを使う大きなメリットは、通気性が保ちやすい点です。パーテーションで空間を区切っても、上部の隙間から空気を循環できます。そのため、空調設備の購入や工事などにかかるコストの削減が可能です。隣の部屋から上手く光が入れば、部屋全体の雰囲気が明るくなるでしょう。
パーテーションの素材によっては、欄間オープンタイプの方が材料費を安くできるケースもあります。隙間が空き、素材を使う部分が小さいため、その分の材料費を節約できるわけです。ガラスなどの高級な素材ほど、材料費の節約によるコスト削減効果が高くなります。
また、オフィス内に新たな部屋を増設する場合、消防法に従って消防設備の増設や消防署への届け出が必要になるケースがほとんどです。一方、欄間オープンタイプを利用すれば、空間を区分けしても同室とみなされるケースが多く、消防設備の増設など面倒な手続きを省略できます。ただし、条件によっては別室とみなされるケースもあるため、事前確認が必要です。

欄間オープンのデメリット

欄間オープンタイプにはデメリットも存在します。
大きなデメリットの一つが、遮音性の低さです。上部に隙間がある以上、どうしても声が漏れやすくなります。パーテーションの利用目的次第では、欄間オープンタイプが使えないこともあるので注意が必要です。
隙間がある欄間オープンタイプは材料費が安くなる可能性があるとご紹介しましたが、場合によっては施工費用が高くなることもあるので注意しなければなりません。上部に隙間が空いた形状は施工に時間・手間がかかるため、安くなった材料費以上に施工費用が発生するケースもあります。
また、隙間があるためセキュリティ面で不安が残るのもデメリットです。例えば、上部の隙間から部屋に侵入され、重要資料や機密情報などが盗まれる恐れは否定できません。重要性の高い部屋・空間の確保を目的とする場合、欄間オープンのパーテーションは避けた方が賢明です。

「欄間クローズ」の特徴とメリット・デメリット

続いて、欄間クローズタイプが持つ特徴とメリット・デメリットを解説します。

欄間クローズの特徴

欄間クローズはその名の通り、上部に隙間がないのが特徴です。欄間オープンと異なり空間が完全位遮断されるため、パーテーションでありながら一般的な壁と同じような性質があります。そのため、欄間クローズのパーテーションは、空間の完全な区分け、部屋の増設において便利です。

欄間クローズのメリット

欄間クローズタイプのメリットを具体的に見ていきましょう。
大きなメリットは、遮音性の高さです。欄間オープンタイプの場合、上部の隙間から音が漏れやすくなります。この点、欄間クローズタイプを利用すれば、隣の部屋と完全に遮断されるため、音が漏れる可能性も低くなるのです。そのため、重要性の高いミーティングや、関係者以外に聞かれるのを避けたい会話なども、比較的安心して行うことができます。
また、音を通しにくい素材のパーテーションを利用すれば、より高い遮音性が実現します。会話が漏れるリスクが下がるだけでなく、外から聞こえてくる音が気になりにくくなる点もメリットの一つです。
セキュリティを確保できる点も、欄間クローズタイプで得られるメリットです。パーテーションに隙間が存在しないため、外部からの侵入リスクを最小限に抑えられるでしょう。機密事項の盗難・社外流出は、業務が進められなくなるだけでなく、外部関係者からの信頼を失ってしまうリスクもあります。そのため、重要事項を扱う部屋を作る際には、欄間クローズタイプを利用するのがおすすめです。
空間としての性質だけでなく、見た目の面でもメリットがあります。欄間オープンタイプはどうしても上部の隙間が目立ってしまいかねません。隙間が原因でデザイン性が低下するとは言い切れませんが、オフィス・事務所の雰囲気によっては目立つ可能性があるでしょう。欄間クローズタイプなら天井まで隙間がないため、特定の箇所が目立つことがなく、高いデザイン性とともに理想的な環境を実現しやすいのがメリットです。

欄間クローズのデメリット

部屋を完全に分けられる点には多くのメリットがあると同時に、デメリットもいくつか発生します。
部屋を完全に分けると、消防法の規定により消防署への届け出や消防設備の増設が必要になるので注意が必要です。場合によっては、パーテーションを設置できる場所を制限されてしまう可能性も否定できません。手続きのために時間や労力がかかるだけでなく、大きなコストも発生します。
また、隣の空間と遮断されるため、空気が通らなくなります。パーテーションで区切った部屋に、新しく空調設備の設置が必要になる可能性が高いでしょう。購入費用や施工費用など、トータルでコストが増えてしまいます。
天井まで隙間なく仕切る欄間クローズの場合、パーテーションの設置に際して行うべき対応が多くなる傾向です。設備の増設によるコスト増大も、欄間クローズならではのデメリットとなります。

オフィス・事務所で「欄間オープン」を利用して部屋を増やしてみよう

「部屋を分ける」「部屋を増やす」ためと考えると、天井まで仕切る欄間クローズが適していると考える方が多いかもしれません。部屋という言葉には、他の空間と完全に遮断された壁が存在するイメージが強いからです。
たしかに、遮音性や高度なセキュリティが求められる部屋の場合、完全に空間を遮断する欄間クローズが適しています。しかし、それ以外の目的であれば、欄間オープンタイプも活用することが可能です。空調設備や消防設備の増設費用がかからない、必要な手続きが少ないなどのメリットがあり、コストを抑えやすいでしょう。ここからは、欄間オープンのパーテーションの活用例をご紹介します。

簡易的なミーティングスペース

簡易的なミーティングスペースを作るためであれば、欄間オープンタイプで十分です。声が漏れてしまうのは完全には防げませんが、ある程度の遮音性はあります。パーテーションで空間が仕切られているだけで、ミーティングの効率アップが実現できるでしょう。ちょっとしたミーティングであれば、執務スペースと近い場所で実施した方が便利なケースも少なくありません。
簡易的なミーティングスペースを目的とするなら、大掛かりな作業が必要な欄間クローズより、欄間オープンの方が便利です。

業務用スペース

集中して行いたい業務や、多くの書類を広げるために大きなデスクが必要な業務などもあります。このような業務を行うための場所として、欄間オープンタイプで区切った部屋があると便利です。
完全に遮断された別の部屋を利用すると、集中力や効率性の低下を招く恐れがあります。また、他の社員の状態が把握できず、トラブルにつながるリスクも否定できません。
ときには完全に遮断された空間で行うべき業務もあるでしょう。しかし、自分のデスクでは物理的に難しい、もしくは少しだけ環境を変えたいという理由であれば、欄間オープンタイプで仕切った部屋が有用です。

資料室

過去の資料や普段使わない資料など、必要だけど重要性の低い資料については、執務スペースとは別の部屋への収納が便利です。このような資料を収納する部屋を欄間オープンタイプで仕切ることができます。
執務スペースの一角に設けた資料室なら、執務スペースに入れる社員以外は利用できません。すなわち外部からの侵入リスクが低いのです。そのため、重要性の高い資料を収納する部屋は、セキュリティを確保するため欄間クローズが適しています。しかし、そこまででなければ、比較的簡単に施工できる欄間オープンタイプを使った部屋で十分です。必要以上のコストをかけずとも、十分な資料室が用意できます。

今回のまとめ

パーテーションのタイプで分けられる欄間オープンと欄間クローズには、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。パーテーションを利用する目的によって適したタイプが違うため、比較・検討したうえで選択することが大切です。「部屋を分ける」と聞くと隙間のない欄間クローズが必要と考えるかもしれませんが、用途によっては欄間オープンタイプを使って部屋を増やした方がコスト削減につながることも少なくありません。欄間オープンと欄間クローズの特徴を押さえ、パーテーションを効果的に活用してみてはいかがでしょうか。
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