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コラム 2022.05.10

1990年代に起きたオフィスビルでの大規模火災事故4選


日本の歴史の中では、いわゆるオフィスビルにおける大規模な火災はあまり起きていない現状があります。ただし近年では、さまざまな業種の店舗や事務所が入居する雑居ビルで痛ましい火災事故が複数起こり、対策が急がれています。今回は、敷地内に事務所・オフィスを含む工場や倉庫といった事業所で1990年代に起きた大規模火災を4つ紹介します。

【目次】
1.1990年代にはどんな出来事があった?
2.1990年代大規模火災①製油工場爆発火災(1991)
3.1990年代大規模火災②茨城県花火工場火災(1992)
4.1990年代大規模火災③マグネシウム爆発火災(1998)
5.1990年代大規模火災④ヒドロキシリアミン爆発火災(2000)
6.過去に事業所で起きた火災が現在の教訓になっている
7.今回のまとめ

1990年代にはどんな出来事があった?

1990年代はバブル崩壊後の、俗に「失われた10年」などとも言われる年代です。時代が幕を開けた1990年代初頭にはエコロジーという言葉が登場し、牛肉・オレンジの輸入自由化が現実のものとなるなど、現在では当たり前となった言葉や事象がスタートしています。
バブル経済の余韻が消えると、カード破産の増加や「平成の米騒動」とまで呼ばれた大凶作など、経済や産業に翳りが見えるようになりました。また、90年代半ばには就職氷河期問題が深刻となったり、後半には消費税の引き上げによる消費の冷え込みや拓殖銀行など金融機関の破綻が起きたりするなど、その後長引くこととなる経済不況が加速していったのです。

1990年代大規模火災②製油工場爆発火災(1991)

1991年12月22日、大阪泉佐野市の製油工場で爆発火災が発生しました。この火事では製油会社の従業員5名に加え、作業の請け負い業者の従業員3名が死亡しています。後に危険物製造施設における災害防止対策の重要性を全国的に見直し徹底させるきっかけとなった大規模火災です。
チョコレート等製造に用いる油脂を製造していたこの会社は事故当時、製造工程中にヤシ油の搾りカスから「ノルマルヘキサン」という物質を取り出す工程を行っていました。この抽出作業時に機械が故障したため、従業員が機械内部に入って油を掻き出していたところ、機械内部に溜まっていたノルマルヘキサンの蒸気に、何かのきっかけで引火が起きたことが大規模な事故に繋がったと考えられています。
引火性の強い物質を取り扱うにもかかわらず、作業にあたる人の安全を守れなかったことから、この事件の背景には、効率を追求した結果、従業員への教育や災害対策を怠っていたずさんな管理体制があったと指摘されています。

1990年代大規模火災②茨城県花火工場火災(1992)

1992年6月16日、煙火製造工場(花火工場)で爆発火災が起きました。当時、この工場の倉庫に保管されていた大量の火薬類が次々に爆発し、大規模な火災となってしまった事故です。この事故は結果的に、3名の死者、58名の負傷者を出し、工場15棟が全焼したに留まらず、周辺の民家が630軒以上も火災に巻き込まれる大惨事となってしまいました。
この火災の原因のひとつは、煙火を取り扱う事業者が努めるべき保安対策が講じられていなかったことと考えられています。最初は小規模な火災であっても、置き残してあった多量の火薬に火がつき、最終的に大爆発となってしまうことへの危機意識や、火薬の取り扱いに対する基本的なノウハウ不足が後に指摘されました。
事故後の対策として、火薬製造・管理に対する教育とマニュアルが強化されましたが、この煙火製造会社が再建されることはなかったということです。

1990年代大規模火災③マグネシウム爆発火災(1998)

1998年12月13日17時15分、兵庫県尼崎市の化学工場で大規模な爆発火災が起きました。
この火災は、塩化マグネシウムの保温炉からの回収作業中に、炉の中の溶融マグネシウムが大量に床へ漏れ出てしまったことが原因と考えられています。漏れ出した溶融マグネシウムは800℃もの高温だったため床面で炎上しましたが、冷却用の水が溶融マグネシウムにかかり化学変化が起きて水素が発生したことから、さらなる大爆発に繋がったと見られています。
マグネシウム火災は事例が多く、1990年代にも複数の事故が発生しました。中でも1993年岡山県の金属工場では、マグネシウムとアルミニウムの混合粉末を製造中に粉砕機の中で爆発が起き、1名の死者が出てしまいました。

1990年代大規模火災④ヒドロキシリアミン爆発火災(2000)

2000年6月10日、群馬県新田郡尾島町の化学薬品製造会社の工場で爆発火災が発生しました。半導体の洗浄に用いられることが多い「ヒドロキシリアミン」を精製するための設備で爆発が起き、従業員4人が死亡したという痛ましい事故です。また、周辺地域の多く住民が重軽傷を負い、2つの国道が通行止めになるなど、被害は社内だけに留まらず地域社会を大きく巻き込むこととなってしまいました。
この火災に伴う負傷者は58名とされていますが、このうち54名が工場外の方だったといいます。さらに、交通規制・停電・電話の不具合などにより、地域社会に損害を与えたという記録も残されています。近隣の川では、大量の魚が死んでいたことからも、事故の影響の大きさを窺い知ることができます。

過去に事業所で起きた火災が現在の教訓になっている

歴史を振り返ってみると、事業所で起きた火災で多いのは、工場・倉庫での火災、デパート・百貨店での火災、ホテル・旅館での火災です。建物自体の規模が大きいこと以外にも、工場では製造・取り扱う物質・薬品などの性質が火災に繋がったケースも少なくありません。歴史の中で消防法を見直すきっかけとなることもあった、重大な火災事件とその教訓について紹介します。

工場・倉庫の火災

古くは1964年、東京都品川区の倉庫において、許可なく溜め込まれていた「硝化綿」が自然発火したことによる小爆発に始まり、近隣工場に引火して大爆発となる火災が起きました。この倉庫火災は消防署員19名が殉職する悲劇として世間に衝撃を与え、同年前月の新潟地震時の火災とともに、消防法・消防法組織法の一部が布かれるきっかけとなりました。

デパート・百貨店の火災

1972年5月に起きた大阪のデパートビル火災は、その後の消防法改正に繋がる大惨事となってしまいました。このデパートでは当時電気配管を工事中に3階婦人服フロアで出火し、最終的に地上2階~4階までを焼損したということです。出火フロアで炎上した化学繊維商品が多くの煙を発生させ、その煙がダクトを通じて7階のフロアに充満。そこにいた多数の従業員が煙を吸うことになりました。この火事では結果的に、7階から飛び降りたことによる死者22人、窒息死者を96人も出すこととなってしまいます。
この火災を受けて自治省消防庁は、同年12月に消防法を改正。不特定多数者が利用する施設における火災の早期発見のために、自動火災報知器の設置を義務付ける内容を加えました。また、1990年に起きた兵庫県尼崎市のデパート火災では、出火後にも階段室に積まれた荷物で扉が開かなかったことで15人が煙を吸って死亡しました。
この凄惨な火災事故を教訓とし、同年12月には消防法が改正され、床面積3000㎡以上の物品販売店舗を対象に、スプリンクラーの設置義務が課せられました。同時にこの火災は、各事業所の自主防災体制強化が促されるきっかけにもなっています。

ホテル・旅館の火災

1982年、東京千代田区で発生したホテル火災は、歴史の中でも他に類を見ない規模の火災事故となってしまいました。当時、このホテルには315人もの宿泊客がいましたが、午前3時35分に9階で出火した際には、自動火災報知器のスイッチが切られていたことがわかっています。このことにより多数の逃げ遅れで宿泊客34名が死亡、34人が負傷しました。この火災を受け、消防庁は一定の防災基準を満たした施設に「適マーク」を公布する制度をさらに強化することとなります。
また、1994年には、福島県福島市の老舗ホテルで火災が発生。4階の大広間で出火後、5人が一酸化炭素中毒で死亡、3人が負傷しました。一定の防火基準を満たした「適マーク」公布済み施設で起きた火災でしたが、調査の結果、建築構造に不備がありながらも「適マーク」が公布されていたことが判明したということです。
これを機に、消防庁は「旅館・ホテル等防火安全対策検討委員会」を発足。防火管理体制の充実・避難誘導対策などを強化するほか、防炎寝具設置の促進といった対策までが検討される結果となりました。

活かされなかった教訓

収容人数が多いビルでは被害が拡大しやすく、過去の教訓をもとにさまざまな対策が講じられてきましたが、2012年には広島県福知山市のホテルで火災が発生し、7人もの死者が出てしまいました。このホテルは違法建築であったにもかかわらず、長年にわたり立ち入り調査が行われていなかったということです。

今回のまとめ

自社の従業員の命を預かるだけでなく、不特定多数の人が出入りする場として公共性もあるオフィスビル・事業用ビルでは、万が一火災が起きた場合には被害を最小限に食い止めることができるよう最大限の予防をしておく必要があります。歴史の中の火災を教訓として、それぞれの事業所で消防法を遵守しながら、適切な防災対策を行うことが重要です。
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