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コラム 2021.10.28

オフィス・事務所の内装工事を行う前に知っておくべき「内装制限」とは?

内装工事を施す際には、内装制限における使用素材の範囲に注意しなければいけません。オフィス・事務所も例外ではなく、特定の要件を満たす場合にはこれに順守する必要があります。適切に守られていなければ、有事の際の安全性が脅かされてしまいます。そんな重要な役割を持つ内装制限とは、いったいどんなものなのでしょうか?今回は、オフィス・事務所にも必要な内装制限の基礎知識について解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
1.内装制限とは
2.内装制限を無視するとどうなる?
3.内装制限の一覧表
4.今回のまとめ

内装制限とは

内装制限は建築基準法と消防法によって定められるもので、特定の建築物・規模・用途に該当する場合に内装の素材を制限するという規定のことです。有事の際の被害を最小限に抑え、人命を守る目的で設けられております。ただ、規定される部分は壁と天井の素材のみであり、床の素材に関する規定はありません。
そして、壁・天井の内装には、要件ごとに難燃・準不燃・不燃素材の使用が義務付けられています。難燃は5.5mm以上の難燃合板・7mm以上の石膏ボード、準不燃は15mm以上の木毛セメント版・9mm以上の石膏ボード、不燃は鉄・コンクリート・ガラス・モルタルなどが該当します。このほかにも、国土交通大臣の認定を受けた素材であれば木材でも使用は可能です。

内装制限を無視するとどうなる?

前述の通り、内装制限は建築基準法と消防法の法律によって制限されています。このため、順守されていなければ法律に違反することになります。そうでなくとも、内装制限は災害による被害を抑えるためのものです。内装制限に従った素材を用いることで、災害時の燃焼・損傷・有害な煙やガスの発生を抑えることができます。建物の利用者の安全を守るためにも、必ず規定に則った設計にしましょう。とはいえ、基本的には内装工事業者による確認が行われるため、依頼者がさほど神経質になる必要はありません。

内装制限の一覧表

下記は、内装制限の対象となる一覧表になります。

 

 

建築物・規模・用途等

対象となる床面積 制限
 

耐火建築物

 

準耐火建築物

その他の建築物  

居室

 

通路や階段

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特殊建築物

 

 

1

劇場、映画館、演芸場、観覧 場、公会堂、集会場。 客席の床面積400㎡以上。 客席の床面積100㎡以上。 壁(床上1.2m以下は除く)・天井(3階以上に居室を持つ場合は準不燃以上)ともに難燃以上。 壁・天井ともに準不燃以上。
 

 

 

2

病院、診療所(収容施設があるもの)、ホテ ル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等。 3階以上の床面積300㎡以上、100㎡(共同住宅は200㎡)以 内に防火区画されたものは除く。 2階の床面積 300㎡以上。(病院、診療所は、その部分に収容施設がある場合に限る) 床面積200㎡以上。
 

 

 

 

 

 

3

百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトク ラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗。(床面積10㎡以内は除く) 3階以上の床面積1,000㎡以上。 2階の床面積500㎡以上。 床面積200㎡以上。
 

4

地下に表1・2・3の用途の居室を設置するもの。 全て。 壁・天井ともに準不燃以上。 壁・天井ともに準不燃以上。
 

5

自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ又はテレビスタジオ。
 

 

 

建築物の規模

 

 

 

 

 

6

 

 

3階以上かつ延べ面積500㎡を超えるもの。 学校、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、スケート場、水泳場、スポーツ練習場は除く。また、耐火建築物や準耐火建築物に該当し、高さ31m以下・100㎡以内に防火区画された特殊建築物に属さない居室は除く。そのほか、表2の高さ31m以下の部分には適用しない。 壁(床上1.2m以下は除く)天井ともに難燃以上。 壁・天井ともに準不燃以上。
2階以上かつ延べ面積1,000㎡を超えるもの。
1階以上かつ延べ面積3,000㎡を超えるもの。
 

 

無窓

 

 

7

窓・開口部を持たない居室(天井の高さ6mを超えるものを除く)。 床面積が50㎡を超える居室で窓等開放できる部分(天井から下方80cm以内の部分に限る)の面積が床面積の1/50未満。温湿度調整を必要とする作業室等。 壁・天井ともに準不燃以上。 壁・天井ともに準不燃以上。
 

調理室等

 

 

8

調理室や浴室で、かまど、こんろ等の火を使用する設備を設けたもの。 主要構造部を耐火構 造としたものは除く。 2階以上の住宅の最上階を除く階に火を扱う設備を設けたもの。住宅以外で火を使う設備を設けたもの。 壁・天井ともに準不燃以上。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防火区画

 

 

 

 

9

建築物の11階以上の部分200㎡以内に防火区画されたもの(共同住宅住戸には適用しない)。 100㎡以内に防火区画。 スプリンクラー等の自動式のものを設置する場合、区画を2倍に拡大可。
200㎡以内に防火区画(特定防火設備)。 壁・天井ともに準不燃以上。 壁・床面上1.2m以下を除く。
500㎡以内に防火区画(特定防火設備)。 壁・天井ともに不燃。
 

 

 

 

 

10

地下街。 100㎡以内に防火区画。
200㎡以内に防火区画(特定防火設備)。 壁・天井ともに準不燃以上。 壁・床面上1.2m以下を除く。
500㎡以内に防火区画(特定防火設備)。 壁・天井ともに不燃。

今回のまとめ

内装制限は建物の利用者の安全を守るための規定であり、オフィス・事務所にも密接に関わるものです。内装を設計する上でも重要な要素となりますので、可能な限り理解しておくようにしましょう。

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