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コラム 2021.08.12

日本企業における2021年の年次有給休暇の消化率


制度は整備されていながら、有休休暇を取得しづらい雰囲気がある職場もかつては多く存在したかもしれません。しかし、2019年の労働基準法改正後からは条件を満たす労働者は有給休暇を取得しなくてはならなくなりました。ところで、実際の労働現場で有給休暇は適切に消化されるようになったのでしょうか?今回は日本企業における年次有給休暇消化率の現状をお伝えします。

【目次】
1.そもそも年次休暇制度とは?
2.2021年現在の年次休暇消化率はどのくらい?
3.年次有給休暇を取得させなかった企業への罰則はある?
4.今回のまとめ

そもそも年次休暇制度とは?

年次有給休暇とは、賃金が発生する休日のことで、要件を満たす労働者なら誰でも取得できるものです。有給休暇で発生する賃金を計算する方法は3種類あり、この中から企業側が選択して採用します。有給休暇制度は戦後まもなく導入された制度ですが、2019年4月の法改正前までは、取得する日数に義務は設けられておらず、制度はあるものの、周囲に気をつかって取ることができないという人は少なくありませんでした。
現在では、年次有給休暇を10日以上与えられる労働者は、年5日以上の有休を確実に取得しなくてはなりません。有休を年10日以上与えられる労働者とは、雇い入れられてから6か月が経過していて、なおかつ全ての労働日の8割以上出勤している人のことです。与えられる日数は勤続年数に応じて増えていきます。なお、パート・アルバイト従業員も週の勤務日数や勤続年数に応じて有給休暇が発生し、年休10日以上の水準に達すれば、年5日以上の取得義務が生じます。
また、対象者は取得時季について希望を伝え、使用者はその希望に応じる努力も義務づけられています。

2021年現在の年次休暇消化率はどのくらい?

有休取得率を知ることができる厚生労働省実施の「就労条件総合調査」は、前年に関する調査です。令和2年(2020年)発表された調査結果によりますと、平成31年・令和元年の年次有給休暇取得率は、全体で56.3%となっています。この年、企業が労働者に与えた平均有休日数は18日で、そのうち労働者自身が取得したのは平均で10.1日でした。平成30年および令和元年は、有休取得率が過去最高となっており、労働基準法改正の成果が現れた結果となっています。
なお、ある機関が2021年4月に、中小企業の社員に対して実施した調査によれば、自由(もしくはある程度自由に)有休を消化できる環境にあると答えた人は、全体の約74%だったということです。一方で、有休が取りにくい原因として仕事量の多さや人材不足を挙げた人が全体の40%に上ったとの調査結果も報告されました。中小企業を中心に、有休を取りやすい環境整備には、まだまだ課題もあるといえそうです。

年次有給休暇を取得させなかった企業への罰則はある?

企業・使用者側が社員・従業員に対し、適切に年次有給休暇を取得させなかったことを想定し、労働基準法上では罰則が設けられています。要件を満たしている労働者に年5日の有休取得義務を果たさせなかった場合、会社側には30万円以下の罰金が科されることがあります。
また、有休の時季指定については就業規則に明記することが義務づけられており、これに違反した場合にも罰金を科される可能性があるため、企業側は有休を確実に取得してもらえるよう努めなくてはなりません。

今回のまとめ

年次有休休暇は労働基準法改正によって実行力のある制度に生まれ変わり、企業の規模を問わず取得率は上昇しています。働き方改革や働き方の多様化なども推進され、労働環境はより良いものに改善されつつあります。使用者である会社側にも多くの苦労があるものですが、労働者と雇う側が相互にメリットが多くなるよう、適切な有休消化ができる職場環境を目指しましょう。

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